バスタ フェローズ。 [Switch] BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ)キャラ別感想と攻略順

[Switch] BUSTAFELLOWS(バスタフェロウズ)キャラ別感想と攻略順

バスタ フェローズ

描き下ろしイラスト illustration by すめらぎ琥珀 書き下ろしショートストーリー「Prom King」 text by minetaka 「1時間125ドルで、最低6時間以上ってことは……」 リビングで雑誌を広げながら、テウタは眉間にしわを寄せた。 「750ドル」 テウタの暗算よりも早くシュウが呟いた。 「えっ!? うっそ、私のアパートの家賃より高い……プロムってこんなにお金かかるんだね」 何の話かと、少し首を伸ばしてテウタの手元の雑誌を覗き込むと、それは高校生のプロムの特集だった。 プロムのための貸衣装やリムジンのレンタル……最近の高校生は金がかかるらしい。 いや、俺の時も似たようなものだったか。 「テウタは高校の時プロム行かなかったの?」 スケアクロウがスナックバーを頬張りながら聞くと、テウタは斜め上を見上げた。 左上を見上げるのは過去を思い出そうとしてる時、右上は嘘を吐こうとしてる時……そんなことを聞いたことがある。 「私はプロム行かなかったな。 アダムの卒業前のプロムに誘ってもらったけど行けなかったし、私とルカの時は友達何人かで地元のダイナー貸し切ってアンチプロムやったんだ」 「アンチプロム? なんだそりゃ?」 「プロム反対って感じのパーティだよ。 まあ、別に私は反対ってほどじゃなかったけどさ。 ていうか、みんなは?」 テウタの問いに、全員が一斉に左上を見上げた。 「学校なんか行ったことねえな」 「僕も普通の高校生活なんて経験ありませんね」 「俺はホームスクーリングだったし」 「僕は興味がなかったから」 申し合わせたように全員が順に答えると、今度は一斉に俺の顔を見た。 「……え? 俺?」 テウタは身を乗り出して、マイクでも持ったような仕草で俺に拳を向けた。 「リンボ、絶対人気だったでしょ!」 テウタの真似をするかのようにクロも同じポーズで俺に拳を向ける。 「モテてなかったわけがない!」 「そ……」 「『そんなことない』とかなんとか、誤魔化すのはむしろ嫌味なんでやめてくださいよ?」 まさに『そんなことない』と言おうとしたのを、ヘルベチカに遮られた。 本人は携帯をいじりながら、こちらを伺うようにちらりと視線を寄越した。 「な、なんなんだよ、お前ら……」 大きく息を吐いて、ソファにもたれかかる。 助けを求めるようにシュウを見たが、にやついた顔でほんの少し眉を動かしただけだった。 視線を戻すと、テウタとクロがさらに拳を近づけてくる。 「で? どうだったの?」 ふと、左上の方を見上げる。 近いようで遠い、学生時代の記憶。 「なんていうか、プロムキングになったことはあるけど……」 「ほらー! やっぱり!」 テウタとクロは顔を見合わせて頷いている。 この後は間違いなく根掘り葉掘り質問が飛んでくることだろう。 会話に入ってきていないモズに視線をやると、首を傾げて返事を促されてしまう。 どうやら、助けてくれる人間はいなさそうだ。 「で? 誘ったんですか? それとも誘われたんですか?」 「え?」 ヘルベチカは携帯から目を離した。 その口元にはふと意地の悪い笑みが浮かぶ。 「プロムに行くのにリンボが誘ったのか、リンボが誘われたのか、気になりません?」 「気になるー!」 「気になる気になる!」 「僕も」 「諦めろリンボ、ここは民主主義の国だ」 シュウはわざとらしく肩をすくめた。 「それ聞いてどうすんだよ、ったく……」 観念して話し出そうと小さく息を吐くと、それを制止するように手を掲げながらテウタが立ち上がった。 「あー待って待って! 賭けしよ! 私、リンボが誘われた方に1ドル!」 「俺5ドル!」 「僕は10ドル」 「20ドル、かな」 「100ドル」 テーブルの上にはくしゃくしゃの札が重ねられていく。 「お前らな……」 「これじゃあ賭けになりませんね。 で? 答えは?」 また、無意識に左上を見上げてしまう。 その仕草を気づかれたくなくて視線を戻すと、テウタとクロは期待に満ちた目で俺を見ていた。 まるで子どもだ。 「……誘われたんだよ」 「ほらー! やっぱりー! え、誘ってきたのって1人? それとも複数?」 「え? それは……」 「あ! 照れた! これ絶対複数だろ!」 「お前ら、人をからかうのもいい加減にしろよ」 俺の言葉にテウタはニヤリと笑った。 まだ攻撃の手は緩めない、そんな意思表示にさえ見える。 「もう、ドラマで見るようなモテ男じゃん。 あっ! もしかしてアメフト部のキャプテンでクォーターバックだったりしない!?」 「俺はバスケ部だって。 ……キャプテンはやってたけど」 ほら、と笑い合うテウタ達を見て、シュウは小さく笑い声を立てた。 「モテ男ビンゴあったらもう優勝してるな」 右にも左にも、味方はいなさそうだった。 次は何を聞かれるだろうか……また左上を見上げる。 (学生時代、か……) 楽しいことがたくさんあった。 忘れられないような辛いこともあった。 でも、楽しかった。 学校という小さな世界で、色んなことがあった。 あの頃も、こんな風に楽しそうな笑い声を聞いていた気がする。 「何ニヤニヤしてんだ? プロムに誘ってきた女のことでも思い出したか?」 シュウが肘で小突く。 「あ、いや、俺の学生時代にお前達がいたらどうかなってちょっと想像したら、おかしくて……」 そう言いながら笑いがこみ上げてきて、言葉が続かなくなる。 その笑い声に気づいたクロが訝しげに俺を睨んだ。 「おかしいって、どういうこと?」 「このまんまだろうなって」 「どういう意味です?」 ふと、目を逸らして右上を見上げる。 「どういう意味も何も、そのまんまだろ?」 「あ! 分かった! 俺達がガキっぽいってことだろ!? 罰金だ、罰金!」 「そうだそうだ!」 テウタとクロは二人でカウンターにある罰金の瓶を取りに走った。 ーーー学生時代のあの小さな世界にみんながいたら……本当のところは想像もつかない。 同じクラスだったら友達になっただろうか? 同じクラブだったら? テストだ、パーティだ、プロムだと笑い合っただろうか? 俺達はきっかけがあって出会った。 何かが起こって、何かが起こらなくて、今はこうして同じ場所にいる。 それが、今なんだ。 小さな笑い声の方を見ると、モズだった。 その顔は、俺の頭の中を見透かして笑っているようにも見える。 「な?」 モズは満足そうに目を閉じて微笑んだ。 「そうだね」.

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ダクソ攻略メモ*よるた* バスタフェロウズ攻略方法 BUSTAFELLOWS

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描き下ろしイラスト illustration by すめらぎ琥珀 書き下ろしショートストーリー「Prom King」 text by minetaka 「1時間125ドルで、最低6時間以上ってことは……」 リビングで雑誌を広げながら、テウタは眉間にしわを寄せた。 「750ドル」 テウタの暗算よりも早くシュウが呟いた。 「えっ!? うっそ、私のアパートの家賃より高い……プロムってこんなにお金かかるんだね」 何の話かと、少し首を伸ばしてテウタの手元の雑誌を覗き込むと、それは高校生のプロムの特集だった。 プロムのための貸衣装やリムジンのレンタル……最近の高校生は金がかかるらしい。 いや、俺の時も似たようなものだったか。 「テウタは高校の時プロム行かなかったの?」 スケアクロウがスナックバーを頬張りながら聞くと、テウタは斜め上を見上げた。 左上を見上げるのは過去を思い出そうとしてる時、右上は嘘を吐こうとしてる時……そんなことを聞いたことがある。 「私はプロム行かなかったな。 アダムの卒業前のプロムに誘ってもらったけど行けなかったし、私とルカの時は友達何人かで地元のダイナー貸し切ってアンチプロムやったんだ」 「アンチプロム? なんだそりゃ?」 「プロム反対って感じのパーティだよ。 まあ、別に私は反対ってほどじゃなかったけどさ。 ていうか、みんなは?」 テウタの問いに、全員が一斉に左上を見上げた。 「学校なんか行ったことねえな」 「僕も普通の高校生活なんて経験ありませんね」 「俺はホームスクーリングだったし」 「僕は興味がなかったから」 申し合わせたように全員が順に答えると、今度は一斉に俺の顔を見た。 「……え? 俺?」 テウタは身を乗り出して、マイクでも持ったような仕草で俺に拳を向けた。 「リンボ、絶対人気だったでしょ!」 テウタの真似をするかのようにクロも同じポーズで俺に拳を向ける。 「モテてなかったわけがない!」 「そ……」 「『そんなことない』とかなんとか、誤魔化すのはむしろ嫌味なんでやめてくださいよ?」 まさに『そんなことない』と言おうとしたのを、ヘルベチカに遮られた。 本人は携帯をいじりながら、こちらを伺うようにちらりと視線を寄越した。 「な、なんなんだよ、お前ら……」 大きく息を吐いて、ソファにもたれかかる。 助けを求めるようにシュウを見たが、にやついた顔でほんの少し眉を動かしただけだった。 視線を戻すと、テウタとクロがさらに拳を近づけてくる。 「で? どうだったの?」 ふと、左上の方を見上げる。 近いようで遠い、学生時代の記憶。 「なんていうか、プロムキングになったことはあるけど……」 「ほらー! やっぱり!」 テウタとクロは顔を見合わせて頷いている。 この後は間違いなく根掘り葉掘り質問が飛んでくることだろう。 会話に入ってきていないモズに視線をやると、首を傾げて返事を促されてしまう。 どうやら、助けてくれる人間はいなさそうだ。 「で? 誘ったんですか? それとも誘われたんですか?」 「え?」 ヘルベチカは携帯から目を離した。 その口元にはふと意地の悪い笑みが浮かぶ。 「プロムに行くのにリンボが誘ったのか、リンボが誘われたのか、気になりません?」 「気になるー!」 「気になる気になる!」 「僕も」 「諦めろリンボ、ここは民主主義の国だ」 シュウはわざとらしく肩をすくめた。 「それ聞いてどうすんだよ、ったく……」 観念して話し出そうと小さく息を吐くと、それを制止するように手を掲げながらテウタが立ち上がった。 「あー待って待って! 賭けしよ! 私、リンボが誘われた方に1ドル!」 「俺5ドル!」 「僕は10ドル」 「20ドル、かな」 「100ドル」 テーブルの上にはくしゃくしゃの札が重ねられていく。 「お前らな……」 「これじゃあ賭けになりませんね。 で? 答えは?」 また、無意識に左上を見上げてしまう。 その仕草を気づかれたくなくて視線を戻すと、テウタとクロは期待に満ちた目で俺を見ていた。 まるで子どもだ。 「……誘われたんだよ」 「ほらー! やっぱりー! え、誘ってきたのって1人? それとも複数?」 「え? それは……」 「あ! 照れた! これ絶対複数だろ!」 「お前ら、人をからかうのもいい加減にしろよ」 俺の言葉にテウタはニヤリと笑った。 まだ攻撃の手は緩めない、そんな意思表示にさえ見える。 「もう、ドラマで見るようなモテ男じゃん。 あっ! もしかしてアメフト部のキャプテンでクォーターバックだったりしない!?」 「俺はバスケ部だって。 ……キャプテンはやってたけど」 ほら、と笑い合うテウタ達を見て、シュウは小さく笑い声を立てた。 「モテ男ビンゴあったらもう優勝してるな」 右にも左にも、味方はいなさそうだった。 次は何を聞かれるだろうか……また左上を見上げる。 (学生時代、か……) 楽しいことがたくさんあった。 忘れられないような辛いこともあった。 でも、楽しかった。 学校という小さな世界で、色んなことがあった。 あの頃も、こんな風に楽しそうな笑い声を聞いていた気がする。 「何ニヤニヤしてんだ? プロムに誘ってきた女のことでも思い出したか?」 シュウが肘で小突く。 「あ、いや、俺の学生時代にお前達がいたらどうかなってちょっと想像したら、おかしくて……」 そう言いながら笑いがこみ上げてきて、言葉が続かなくなる。 その笑い声に気づいたクロが訝しげに俺を睨んだ。 「おかしいって、どういうこと?」 「このまんまだろうなって」 「どういう意味です?」 ふと、目を逸らして右上を見上げる。 「どういう意味も何も、そのまんまだろ?」 「あ! 分かった! 俺達がガキっぽいってことだろ!? 罰金だ、罰金!」 「そうだそうだ!」 テウタとクロは二人でカウンターにある罰金の瓶を取りに走った。 ーーー学生時代のあの小さな世界にみんながいたら……本当のところは想像もつかない。 同じクラスだったら友達になっただろうか? 同じクラブだったら? テストだ、パーティだ、プロムだと笑い合っただろうか? 俺達はきっかけがあって出会った。 何かが起こって、何かが起こらなくて、今はこうして同じ場所にいる。 それが、今なんだ。 小さな笑い声の方を見ると、モズだった。 その顔は、俺の頭の中を見透かして笑っているようにも見える。 「な?」 モズは満足そうに目を閉じて微笑んだ。 「そうだね」.

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BUSTAFELLOWS

バスタ フェローズ

描き下ろしイラスト illustration by すめらぎ琥珀 書き下ろしショートストーリー「Prom King」 text by minetaka 「1時間125ドルで、最低6時間以上ってことは……」 リビングで雑誌を広げながら、テウタは眉間にしわを寄せた。 「750ドル」 テウタの暗算よりも早くシュウが呟いた。 「えっ!? うっそ、私のアパートの家賃より高い……プロムってこんなにお金かかるんだね」 何の話かと、少し首を伸ばしてテウタの手元の雑誌を覗き込むと、それは高校生のプロムの特集だった。 プロムのための貸衣装やリムジンのレンタル……最近の高校生は金がかかるらしい。 いや、俺の時も似たようなものだったか。 「テウタは高校の時プロム行かなかったの?」 スケアクロウがスナックバーを頬張りながら聞くと、テウタは斜め上を見上げた。 左上を見上げるのは過去を思い出そうとしてる時、右上は嘘を吐こうとしてる時……そんなことを聞いたことがある。 「私はプロム行かなかったな。 アダムの卒業前のプロムに誘ってもらったけど行けなかったし、私とルカの時は友達何人かで地元のダイナー貸し切ってアンチプロムやったんだ」 「アンチプロム? なんだそりゃ?」 「プロム反対って感じのパーティだよ。 まあ、別に私は反対ってほどじゃなかったけどさ。 ていうか、みんなは?」 テウタの問いに、全員が一斉に左上を見上げた。 「学校なんか行ったことねえな」 「僕も普通の高校生活なんて経験ありませんね」 「俺はホームスクーリングだったし」 「僕は興味がなかったから」 申し合わせたように全員が順に答えると、今度は一斉に俺の顔を見た。 「……え? 俺?」 テウタは身を乗り出して、マイクでも持ったような仕草で俺に拳を向けた。 「リンボ、絶対人気だったでしょ!」 テウタの真似をするかのようにクロも同じポーズで俺に拳を向ける。 「モテてなかったわけがない!」 「そ……」 「『そんなことない』とかなんとか、誤魔化すのはむしろ嫌味なんでやめてくださいよ?」 まさに『そんなことない』と言おうとしたのを、ヘルベチカに遮られた。 本人は携帯をいじりながら、こちらを伺うようにちらりと視線を寄越した。 「な、なんなんだよ、お前ら……」 大きく息を吐いて、ソファにもたれかかる。 助けを求めるようにシュウを見たが、にやついた顔でほんの少し眉を動かしただけだった。 視線を戻すと、テウタとクロがさらに拳を近づけてくる。 「で? どうだったの?」 ふと、左上の方を見上げる。 近いようで遠い、学生時代の記憶。 「なんていうか、プロムキングになったことはあるけど……」 「ほらー! やっぱり!」 テウタとクロは顔を見合わせて頷いている。 この後は間違いなく根掘り葉掘り質問が飛んでくることだろう。 会話に入ってきていないモズに視線をやると、首を傾げて返事を促されてしまう。 どうやら、助けてくれる人間はいなさそうだ。 「で? 誘ったんですか? それとも誘われたんですか?」 「え?」 ヘルベチカは携帯から目を離した。 その口元にはふと意地の悪い笑みが浮かぶ。 「プロムに行くのにリンボが誘ったのか、リンボが誘われたのか、気になりません?」 「気になるー!」 「気になる気になる!」 「僕も」 「諦めろリンボ、ここは民主主義の国だ」 シュウはわざとらしく肩をすくめた。 「それ聞いてどうすんだよ、ったく……」 観念して話し出そうと小さく息を吐くと、それを制止するように手を掲げながらテウタが立ち上がった。 「あー待って待って! 賭けしよ! 私、リンボが誘われた方に1ドル!」 「俺5ドル!」 「僕は10ドル」 「20ドル、かな」 「100ドル」 テーブルの上にはくしゃくしゃの札が重ねられていく。 「お前らな……」 「これじゃあ賭けになりませんね。 で? 答えは?」 また、無意識に左上を見上げてしまう。 その仕草を気づかれたくなくて視線を戻すと、テウタとクロは期待に満ちた目で俺を見ていた。 まるで子どもだ。 「……誘われたんだよ」 「ほらー! やっぱりー! え、誘ってきたのって1人? それとも複数?」 「え? それは……」 「あ! 照れた! これ絶対複数だろ!」 「お前ら、人をからかうのもいい加減にしろよ」 俺の言葉にテウタはニヤリと笑った。 まだ攻撃の手は緩めない、そんな意思表示にさえ見える。 「もう、ドラマで見るようなモテ男じゃん。 あっ! もしかしてアメフト部のキャプテンでクォーターバックだったりしない!?」 「俺はバスケ部だって。 ……キャプテンはやってたけど」 ほら、と笑い合うテウタ達を見て、シュウは小さく笑い声を立てた。 「モテ男ビンゴあったらもう優勝してるな」 右にも左にも、味方はいなさそうだった。 次は何を聞かれるだろうか……また左上を見上げる。 (学生時代、か……) 楽しいことがたくさんあった。 忘れられないような辛いこともあった。 でも、楽しかった。 学校という小さな世界で、色んなことがあった。 あの頃も、こんな風に楽しそうな笑い声を聞いていた気がする。 「何ニヤニヤしてんだ? プロムに誘ってきた女のことでも思い出したか?」 シュウが肘で小突く。 「あ、いや、俺の学生時代にお前達がいたらどうかなってちょっと想像したら、おかしくて……」 そう言いながら笑いがこみ上げてきて、言葉が続かなくなる。 その笑い声に気づいたクロが訝しげに俺を睨んだ。 「おかしいって、どういうこと?」 「このまんまだろうなって」 「どういう意味です?」 ふと、目を逸らして右上を見上げる。 「どういう意味も何も、そのまんまだろ?」 「あ! 分かった! 俺達がガキっぽいってことだろ!? 罰金だ、罰金!」 「そうだそうだ!」 テウタとクロは二人でカウンターにある罰金の瓶を取りに走った。 ーーー学生時代のあの小さな世界にみんながいたら……本当のところは想像もつかない。 同じクラスだったら友達になっただろうか? 同じクラブだったら? テストだ、パーティだ、プロムだと笑い合っただろうか? 俺達はきっかけがあって出会った。 何かが起こって、何かが起こらなくて、今はこうして同じ場所にいる。 それが、今なんだ。 小さな笑い声の方を見ると、モズだった。 その顔は、俺の頭の中を見透かして笑っているようにも見える。 「な?」 モズは満足そうに目を閉じて微笑んだ。 「そうだね」.

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