どうして イ レギュラー は 発生 する ん だ ろう。 #2 クリアブルーに揺れて 2巻

出川哲朗の充電させてもらえませんか?

どうして イ レギュラー は 発生 する ん だ ろう

フェーズ1は構造改革。 まず300億円のうち、コストダウンの200億円については前半2カ年で構造改革をかなり進めるつもりで、3年目の2022年度にはコストダウンがかなり効いているだろう。 一方、残りの100億円については、オーガニックでの単価を上げていくという部分になる。 単価成長は、製品の改定、製品ミックス、マーケティング戦略の強化等で健康価値を訴求していくことにより実現していく。 したがって、単価向上については、2020年度にはベーシックなものしか効かず、2021年度に少し、そして2022年にグラデュアルに上がっていくイメージで捉えてもらえればよいだろう。 (2020年度は投資の段階で、海外調味料を中心とした単価効果はそれほど出てこないということか、との問いに) 特に調味料は減塩に大きくシフトしていく。 発売した場合、その効果がでるのは2021~2022年度になるだろう。 200億円のコストダウンは構造改革によるものと通常のオペレーションによるものがある。 2017~2019年度ほどのインパクトはなくなるが、一定の低資源利用発酵技術の効果も見ている。 以上大きくはこの3つの組み合わせになる。 構造改革について、2020年度までにコーポレート費用を2. 5%に近づけるということで、まずは味の素㈱単体のコーポレートの構造改革を進めてきているが、具体的に発現するのは今年の人事異動等が終わる7月以降である。 従って、2020年度は1年間丸々ではなく3四半期分、2021~2022年度は年間丸々効いてくることになる。 また、2021年~2022年度はグループ会社のバックオフィス部門も取り込んで効率化を図ろうと思っている。 これについても単体同様、後追いて発現するかたちになる。 コストダウン200億円の金額構成比は半分が構造改革。 残り半分が低資源利用発酵技術効果と通常のオペレーションのさまざまな経費等の見直しの部分というイメージで捉えていただきたい。 (この200億円の中に、2019年度赤字予想の動物栄養事業は、再編もしくはアセットライト化よる赤字の解消という効果は織り込まれているか、といの問いに) 含む。 2020年度に大きく戦略をシフトし、即効性があるのはコンシューマーのうま味調味料の減塩施策である。 また、うま味調味料による減塩効果を訴求すると、ソリューション&イングリディエンツの分野で、今までMSGを使わなかった外食産業や加工用メーカーがMSGを見直し、使うようになることで量的な拡大が見込める。 この2つが狙うところである。 岩手県モデルの普及というよりも、製品マーケティングに減塩を組み込んでいくことになる。 MSGは130カ国に販売しており、当社自らマーケティングを手掛けている国は、Five Stars、Rising Stars、日本、アメリカを加えると11カ国に及ぶ。 よってかなり大きなインパクトになると思う。 (金額のイメージについて。 広告費や販促費などのマーケティングコストがかかってくるため、利益率はネガティブな局面になるという理解でよいか、の問いに) No。 マーケティング費用については、中計資料に記載のとおりである。 この中身を見直していくのであり、マーケティング費用が増大するということではない。 もともとコーポレートブランド戦略として、うま味による減塩効果を伝える活動を一昨年のWorld Umami Forumから行っており、コーポレート費用として使っている。 こちらも減塩によるウェルネスの訴求へシフトしていく。 加工食品は範囲が広く、即席麺や粉末飲料など、品目によって異なり、変動が大きいため開示していない。 調味料の分野で申し上げると、グローバルマーケットではドライセイボリーと表現されており、これは基礎調味料、風味調味料、キューブタイプの調味料を合わせたものである。 このカテゴリーにおける当社のシェアは2018年度の実績ベースで22%。 グローバルジャイアントを抑えてナンバーワンシェア。 (その領域は現在トップであり、マーケットもまだ成長するため、今後も伸ばせるということか、との問いに) ドライセイボリーのマーケットは、数量ベースではあまり伸びていない。 市場成長は主に金額の部分であり、各社の値上げの要素が今のマーケット成長につながっている。 従って、今回当社がトップブランドとして進めていく減塩を含む健康価値訴求の戦略によって、数量ベースでももう少し伸ばしていきたい。 ブランディングの中でウェルネス、特にメタボリックシンドロームに関して減塩、減糖、減脂を訴求することを戦略として取り込む場合、当社の優位性がどこにあるのか、2点で申し上げたい。 まず一つは減塩の幅である。 当社は様々なユニークな素材を持っていて、これを設計技術と組み合わせることによって製品設計が実現しており、他にはない優位性がある。 もう一つは、ウェルネスを訴求する際に対象となるローカルメニューの多さである。 われわれは、徹底的にローカライズしたマーケティングを行っているため、消費者に対するアクセスポイントが、メニューという観点で非常に優れている。 この2つが優位性だと思っており、より幅広い生活者の方々に訴求することができるだろう。 単価上昇に関しては、大きな経営戦略である。 これをしっかり実行していくために、まず今回、中計2期分のROICを経営指標にしている。 ROICについては、各セグメントのアセットオーナーとして執行役員チームに責任を負ってもらい、ROICの下にぶら下がっている事業部についてはROAをベースに構造を強くしていく。 今回から責任を明確にしたというのが機構の大きな変更点である。 これを四半期毎、月次でしっかり追いかけながら、着地の計画対比、レビューを着実に実行していく。 そして、単価向上につながるのは単純な値上げよりも、主に健康を軸にしたり、栄養価値を高めたりすることで付加価値を上げていく考え。 これは製品戦略あるいはダイレクトマーケティング等の新しいチャネルの開拓によって実現できると思っている。 2023年度から立ち上げる計画である、オーガニック成長のプラス1%の部分を狙っていくような新しい事業については、通常のラインとは別に、このラインから引き出せるような強力なタスクを立ち上げ、私のイニシアティブで遂行していく態勢で臨む、というところが大きな変化だろう。 (計画通り1. 3%が達成できれば、大幅な上振れファクターになるということでよいか、との問いに) Yes。 アセットオーナーを設置し、ROICをアセット単位でみていく。 当社の有形固定資産は、同じ食品事業でもBtoBビジネスとBtoCビジネスが共有でアセットを持っているところがある。 これまでは2つのアセットをシェアする形でマネジメントしていたが、責任を一本化し、全体のアセットマネジメントについては有形固定資産をベースにしたアセットオーナーを設置する。 この責任者がROIC全体を高めるための判断を行い、それを経営会議メンバーとしっかりと握っていく。 そのために今回、日本と海外に分けていたコンシューマー事業についてもグローバル事業に改組し、マーケティング戦略の強化という観点とアセットオーナー制をはっきりさせる。 アセットオーナーというのは複数の事業を統括する役員で、その下に事業部長がいる。 この事業部長はROAを管理し、全体のROICを高めていくのは役員クラスの仕事だと位置付けている。 また調味料を中心とした減塩や減脂に貢献する新製品をいつ出していくかという戦略についても、グローバル事業部でコントロールする。 ただし、具体的な製品のブランドは既存のものを使い、開発や生産・発売のスケジューリングについては現地と調整していく事項になる。 ヘルシーやウェルネスのほうにシフトするマーケティング戦略と製品戦略のコンセプトについてはグローバル事業部でコントロールし、実行プランは現地とアジャストしていくと捉えてもらいたい。 (グローバルプランを立てる部隊が本社にできて、ここがより力を持ってリーダーシップを発揮していく形になるのか、との問いに) ウェルネスの価値を上げていくということになると、一つ一つのローカルの製品や法人がマネジメントすることは非常に難しいため、ブランド政策という観点で本社がコントロールしていきたい。 (マーケティング戦略を引っ張るのは誰になるか、との問いに) 基本的にブランドオーナーについては組織再編後の調味料事業部長、栄養・加工食品事業部長、グローバル冷凍食品事業部長、この3人がブランドオーナーとしてこの責任を負う。 2019年度中間期に申し上げたように、今回の重点事業の選定は成長性と、ROICを用いずROAを基準にして一時的な絞り込みを行った。 従って、冷凍食品についてはROAの高いものと低いもの、成長性が高いものと低いものが併存している状態である。 これを今後3年間のフェーズ1で構造改革することにより、FY25にはWACCを上回るようなROICまで持ち込めるだろうと考えている。 その後平均値の8%をクリアし、11%を超えるところまで上げていくことについては、冷凍食品全体で抱えている大きなアセットの中には北米と欧州ののれんがあるが、これを早期に解消していくことにより、かなりROICが持ち上がってくると思う。 また、都市型の製品である冷凍食品が現状の低ROAになっている大きな構造の一つに、ほとんどの製品を自社の有形固定資産で製造しているという弱点があるとみている。 2000年代前半に主に日本で起きた食の品質に関する消費者の大きな不安、残留農薬や異物混入の問題といった、社会的に大きなインパクトのある事件を受け、当社は自社工場比率を高めることにより品質の担保をしてきた。 結果としてアセットが重くなったという構造も否めないと思っている。 ただ近年は、自社工場でなくても自社のノウハウをもって OEMを組み合わせることにより、品質の透明度を上げて管理することが可能な時代になってきている。 アセットライト化を行う中で新しい成長を取り組んでいくものについてはOEM、それを当社のノウハウで管理していく。 こういうことが段階的にROAを高めるための大きな戦略になり、ゆえにその可能性を残していると判断した。 (北米と欧州ののれんを解消していくことの意味は何か、との問いに) 当社は北米と欧州にアジアン冷凍食品の大きな基盤を得るためにM&Aというプロセスを取った。 アジアン冷凍食品の成長、利益の増加により、のれんを上回る利益をとっていきたいという意味である。 のれん代の償却ということではない。 タイの子会社の追加株式状況は既に発表のとおり。 背景にはROEを高めるというわれわれの目標に大きく資するということと、この数年タイにおいて事業成長が停滞してきたということがあるが、当社としてはまだポテンシャルのあるマーケットと見ている。 追加株式取得により当社の支配力を高め、まだできることがあるだろうということで今回踏み込んだ。 今後、2020年度からどうしていくかということについて。 2019年度中間期のラージミーティングで説明した全社の財務政策とキャッシュバランスでいうと、3年間で800億円程度の戦略原資がある中で、資本政策を進めていくということも一つの大きな選択肢として組み込みながらやっていく。 タイに関しては、機関投資家のものは今回買い取ることができた。 残っているものは、当社の初期のころに持っていただいた複数の個人株主分のため、時間がかかるとみている。 一方で、タイ以外の国でも少数株主が存在する法人があり、交渉を続けていきたい。 具体的に3カ年での買い取り分等はまだ定めていない。 まず現時点では、この状況が継続するか不透明なところがあるため明確でないところはお許し願いたい。 日本では、巣ごもりといわれる状態が続く場合、過去のケースでは調味料や加工食品など家庭で消費されるものは追い風を受ける。 現実に家庭用製品は、2月から3月にかけて追い風を受けている。 一方、フードサービス向けのビジネスについては非常に厳しい状況であり、これはネガティブな要素である。 ただ、国内食品事業の売上高構成比は約7割が家庭用で、約3割が業務用であるので、家庭用のポジティブなところが上回る状況である。 ソリューション&イングリディエンツ事業の、加工用のうま味調味料、あるいは高付加価値の天然系調味料等については、レトルトカレーや即席麺といった加工食品向けに素材を提供しているので、家庭用同様追い風を受けるという状況。 いずれにしても、影響が長引くことによって日本経済全体へのインパクトがあり、消費者の財布がさらに締まることになるだろう。 追い風は一定の期間が過ぎれば落ち着いていき、今後発売を検討している高付加価値型商品についてはしばらく厳しい環境がくるのではないかと思っている。 グローバルでは、具体的な消費環境は推し量れないが、現在BtoB事業の供給に対する不安感から、顧客が在庫を増やして乗り切ろうというアクションが出ている。 ここは短期的に3月ぐらいまではポジティブな要素であるが、2020年度第1四半期のところでは、もしかすると在庫調整が入ってくるかもしれないというリスクも抱えている。 最後に動物栄養に関して申し上げると、新型コロナウイルスの発生源が中国であったということもあり、グローバルの供給に影響が出ている。 今のところは流通在庫があるため大きな変化はみられず価格が若干下げ止まった程度だが、2020年度第1四半期では、中国のオペレーションが徐々に回復する一方でグローバルマーケットの在庫が縮小されるため、単価アップという形でポジティブな風が吹くかもしれない。 ただし、構造的には第2四半期以降は今の状態に戻るだろうとみている。 (中国の景気への依存度が高いタイやベトナムの景気の減速も懸念しているが、当社のビジネスは、調味料であり生活必需品であるので相対的にはそれほどネガティブな影響は危惧しなくてもよいか、との問いに) これからの戦略は付加価値型へシフトしていくので、この点を懸念はしているが、現在の主力事業については大きな心配はしていない。 業績については、ご承知のとおり為替は日々動いており、もう少し精査し、2019年度決算発表や業績予想でお伝えしたい。 当初2020~2022年度で1,000億円程度と言っていたが、期間を2023~2025年度まで伸ばし、かつ1,000億の積み上げとなった。 非重点としている事業の範囲は、動物栄養のコモディティ、MSGの外販の一部、冷凍食品の一部で、これまでの考え方と変わっていない。 リソースアロケーション分も含め精査した結果、この金額が1,000億円から1,500億円に増えた。 また、2023年度から2025年度で500億円を追加しており、これにはリソースアロケーションと、見極め事業と申し上げている、効率性は高いが成長率に懸念のある事業が一部含まれる。 「食と健康の課題解決」の方針の中で、成長を取り戻していける事業もあるかもしれないが、この戦略で進めても成長を取り戻せない事業が一定程度あるという前提で500億円を加えた。 (非重点事業の増額は、アセットライト化する範囲が広がり、結果的に金額が500億円アップしたという理解で良いか、との問いに) Yes。 3%の単価上昇の戦略転換を行っていくが、現在の事業すべてを反映しているわけでなく、一部なくなる事業を想定しているので、これがリスク要因の一つと言ってよいだろう。 また会社全体のリスクとしては、ESGに関わるところとして、特に温室効果ガスの問題で、TCFDの方針に沿ったシナリオ分析を行うと、MSGや核酸、動物栄養など発酵事業全体で、環境税賦課のリスクが80~100億円程度ある。 まだ実際に税金が賦課されると決まったわけではないが、6年間という期間の中では現実味を帯びてくるのではないかと思っている。 (6年間で80~100億円のリスクがあるということか、それとも年間か、との問いに) 6年間という期間の中で、あるタイミングで環境税賦課となった場合、関係する海外法人すべてに課税されたとして、単年度で80~100億円程度のリスクがある。 これに対処しなければいけないが、施策を検討しているところであり、現時点で具体的な対処案が計画できていないため、今回はリスクとして表現した。 当社の事業は食品とアミノサイエンスという大きな事業本部に分かれており、各事業部が、事業利益ベースではあるが独立して運営してきた。 これまでもそういうオペレーションを繰り返してきており、構造改革を進めることと成長のエンジンを取り戻していくことについて、舵取りが難しいということはない。 むしろわれわれが経営陣として変えていかなければいけないのは、食品とアミノサイエンスが分業体制になっているところを、協働しながら強みを結集していくことで、アミノサイエンスの中に埋もれているアミノ酸の機能を追求し、それを具体的に製品化していくことである。 また、これを食品事業の、特に新興国を中心としているわれわれの販売網に乗せていくこと。 それが一番難しいところである。 人件費は、基本的に全体のキャッシュフローの中で一定の額でコントロールするという方針のもと、3カ年で予算管理している。 先ほど構造改革のコストダウンの箇所でも触れたが、バックオフィスの費用が削減されるなかにも、人件費が一定のウエートを占めていると思っていただければよい。 (業績が好くても悪くても、コンスタントに人件費は上がっていくというイメージを持っている。 こういうチャレンジングな状況において人件費、あるいは他の固定費でもいいが、どうやってコントロールしようとしているのか。 例えば人件費がどれぐらい増えるのかという計画があれば教えてほしい、との問いに) グループ全体のポリシーはなく、それぞれの法人でコントロールしている。 (法人とはいえ、オーガニックの人件費もかなり抑制されるという理解でよいか、との問いに) それぞれの法人できちんとマネジメントされている。 2019年度に発生する費用と、2020年度への影響については、中間期に申し上げた見込みのとおり。 第3四半期に発生した欧州の調味料製造設備に関する減損についても、その際に織り込んでいた。 ただ、2019年度の着地見込みについて、中間期より上振れて推移しているところは、皆さまの目線とあまり変わらないだろう。 そういう意味で、今回の中計は1月末時点の足元の状態を勘案しながら発射台を決めてプランを発表したと思ってもらえればよい。 2020年度の業績予想については、アセットライト化の部分を除けば増益のほうに振れていくと思う。 アセットライト化についても、中計のフェーズ1における1,000億円については2020年度から2021年度の、概ね2年にわたるものだと思っている。 2019年度に行った500億円程度のアセットライトと比べて、2020年度に集中して増えるということではない。 何とか増益のほうに持っていけるようにマネージしたいと思っている。 (2019年度第3四半期は中間期の想定より少しよくなり、普通で考えると着地は少し上振れる可能性がある。 2020年度は、アセットライトの構造的な費用を除けば増益というイメージを持っているということでよいか、との問いに) 不透明な部分、例えば為替や原燃料を一定としてみれば、そのようなプランになっている。 コーポレート部門の構造改革については、全社共通費2. 5%への取り組みとして、バックオフィス業務の高度化・効率化に向けた施策である。 数字的なインパクトとしては、記述のとおり300億円の収益改善の中に含まれている。 (アクセンチュア社との取り組みは、合弁会社を立ち上げて先方が33%を持つ。 出資割合の意味合い、先方のメリットは何か、との問いに) 時間当たりのコストがリーズナブルで、かつサービスは今よりも落ちない、あるいは更によくなるためにアクセンチュア社と組んでいる。 なぜJVかということについては、アクセンチュア社のノウハウ、人材開発手法などマネジメントスタイルをJVに持ち込めることがメリット。 これは通常のコンサルティングだけでは得られないものだと考えている。 先方のメリットは、今後JVが上手く進展していけば、国内の当社グループ内でカバー範囲が広がる可能がある点だ。 北米の再編が中心になる。 基本的には、全体的に見て非効率な工場のオペレーションを集約化していくという考え方が大前提である。 また、工場の集約化と同時並行で、アジアン冷凍食品にフォーカスした戦略を強化していくため、アジアン製品に対する増産投資も必要になる。 完全に4工場を閉鎖するのではなく、メキシカンやイタリアンを縮小し、アジアン製品に転換をしていく。 結果として、冷凍食品に関わるアセットライト化の金額が約45億円と規模が大きくないのは、転換した後資産として残るものも含まれているとお考え頂きたい。 日本のマーケットは非常に厳しい競争環境になっており、サプライチェーンの見直しは必要だろう。 タイや中国の工場でも生産しており、日本の工場と共にオペレーションをしている中で、整理が必要だろう。 これは20-25の6か年計画に含まれている。 (4工場閉鎖というのは、中国やタイなどの見直しも含んでいるのか、との問いに。 ) センシティブな内容であるので、現時点では回答を差し控えたい。 (アセットライト化約45億円は投資も含めてネットベースという事だと思うが、グロスでいくらになるか。 考え方を教えて欲しい、との問いに) 工場が紐付けられる可能性があるので、回答を差し控えたい。 例として挙げられた競合はフードサービスに非常に強い会社である。 フードサービスのビジネスというのはソリューション用に、かなり多くのSKUが必要になる。 したがって、当社のフードサービス事業の収益力とはかなり差があると思っている。 これは国内で、当社が別の競合に対し劣後しているのと共通の要素であり、北米の場合は、国内よりもさらに規模が大きいということだと思う。 当社の強みはアジアン冷凍食品である。 ここについて切り出してみると、上述のような劣後にはなっていないので、ここにシフトしていこうという戦略である。 (例えばアジアン製品とメキシカンやイタリアン製品で、歩留まりが全く違うのか、の問いに) ユニットプライスが全く違う。 製造コストが大きく違うというよりは、同じような素材を使っても、最終的にお客様に支払っていただくユニットプライスが全然違うということ。 (つまりアジアンカテゴリーについては、収益性は2~3%よりかなり高いということだと思う。 ちなみにイタリアンやメキシカンカテゴリーは、赤字になっているわけではないということでよいか、の問いに) 赤字のものもある。 (するとアジアンカテゴリーにしっかりとシフトしていけば、プロダクトミックスから考えても収益性はしっかりと上がってくるが、急いでやろうとすればリスクがあるので、ゆっくり慎重にやっていくということか、の問いに) そのとおりである。 北米冷凍食品の主戦場であるアジアンのマーケットは非常に活性化しており、市場は拡大している。 その中でアジアや日本の競合が参入しており、競争環境が変わってきている。 しかし、当社は競合の参入を五月雨式に許しているわけではない。 当社がイノベーションを急いで実行していくことで、競争優位に立てる計画になっている。 収益改善には時間をかけている。 これは17-19中計の反省も踏まえている。 トップダウンで急速に構造改革を進めると、製造現場のオペレーションがついて来ない。 重点事業への転換にしても同様のことが起きてくる。 よって、一つの工場で在庫を潤沢に持ちながら、もう一つの工場を閉めて転換をしていくという計画。 2つ、3つの工場を並行して進めるというより、今回は直列型の計画に見直したため、少し遅いという印象につながっていると思う。 あまり無理をすると同じようなリスクを負うので、このようにさせていただきたいと思っている。 (競合も含めたアジアンのマーケットは、今何%ぐらい伸びているのか。 当社が時間をかけ現場とのバランスを取りながら転換を図っている最中に、マーケットシェアを取られてしまうリスクはないか、との問いに) リスク管理という観点で、参入してきている競合は大変強い会社なので、甘く見ているわけではない。 ただ現時点では、先方も相当苦労しているという認識であり、ここはまさに競争であると思っている。 一方で顧客に対して、しっかり仕事をつないでいくことが必要。 当社の北米におけるプレゼンスをしっかり守るということである。 北米での生産体制が整うまでは、タイの工場から製品をつなぐことで、顧客との強い関係性とマーケットシェアを維持している。 直接的な責任は、アミノサイエンス事業本部長ということである。 現ヘルスケア事業と、電子材料を含むライフサポート事業の成長戦略、そして動物栄養事業のリストラクチャリングの全体責任を負う。 もう一つ、経歴としてグローバル企業で働いてきたキャリアを持っているので、当社全体のガバナンスやカルチャーに属するような仕事の進め方、やり方について、非常にリーダーシップを発揮してくれている。 これが当社のマネジメント全体にプラスの影響を及ぼしてきていると考える。 (当該役員の最初の功績としては、動物栄養事業のアセットの縮小、売却、あるいは資産の転換のスピード感というところか、との問いに) 責任の範囲は、2020年度以降の開示区分でいうと「ヘルスケア等」である。 この中には電子材料、動物栄養のスペシャリティ、また製薬カスタムサービス、医薬用・食品用アミノ酸などを伸ばしていく仕事も入っている。 構造改革を要する部分は動物栄養事業であり、それ以外は成長領域である。 (効率性検討事業としてヘルスケアの一部を挙げているが、ここは当該役員の管轄ではないということか、との問いに) 効率性検討事業のヘルスケアの一部も担当である。 ただしここは、一部の新しい事業である。 サプライチェーンの充実やマーケットの拡大により収益性を高めていくことがテーマになるが、割合としてそれほど大きくないだろう。 マネジメントの形を変える。 つまり責任を持っている経営会議メンバー、役付け役員の管掌を変えてしまうということである。 今まで、一次物流については、各事業本部長が責任を持つ形になっていた。 今後は、一人のコーポレートオフィサーが生産とサプライチェーンの川上の物流を一緒に見ることで、需要予測や流通在庫の削減に対するDXの導入など、スピーディーに包括的にマネジメントできる体制に変更していくということ。 将来的にはここに調達もつなげていきたいと思っているが、まだ計画には入っていない。 (今後例えば食品事業では、ローカルからグローバルで管理する体制に変えていく。 その関係でいくと、コーポレートオフィサーは、冷凍食品では冷凍食品のコーポレートオフィサーがいて、さらに生産から物流までグローバルで1人のコーポレートオフィサーが掌握するというイメージなのか、との問いに) コンシューマー食品事業のグローバルでの組織化は、事業ユニットのことであり、調味料・加工食品事業を国内と海外に分けていたところを、調味料と栄養・加工食品という、2つのグローバル組織に改組されるということである。 生産とサプライチェーンについては、機能の部分であり、コーポレートオフィサーが責任を持って効率化を図るということ。 事業と機能ということで、DXや全体の在庫を削減するためのシステム、また需要予測の仕組みなどは共通で使えるものだと思っており、そこを一人のコーポレートオフィサーが担うということである。 (コーポレートオフィサーは、全社的にその仕組みを考えるということか、との問いに) 実際は、B to Cビジネスと、B to Bビジネスはサプライチェーンも大分違うので、大きくはこの2つに分かれるが、全体の仕組みそのものを構築するのは、経営会議メンバーの一人である常務執行役員がこれを担う。 (それにより全社的な運転資本の効率化などにつなげるということが、大きなビジョンという認識でよいか、との問いに) Yes。 当社は、キャッシュ・コンバージョンサイクル(CCC)が100日を超えており、中間在庫も含めた在庫のところに大きな課題がある。 バルクビジネスのマニュファクチャリングにおいて、ある程度工場を集約化する戦略を取ってきたが、結果として在庫が大きく膨らんできていることにつながっている。 ここにメスを入れていく役割である。 まず参考資料である36ページについては、2019年度の発射台の数字が中間期の修正予想となっているが、資料本編は1月末の足元の状況を勘案した数値となっている。 大変申し訳ないが、前提が違っている。 その要素が今の大きいところだと思う。 加えて36ページは、フェーズ1でアセットライト化を含んでいない計画になっている。 そのため、オーガニック成長率が高めに出ている。 (36ページは前提が最新の状況ではないということだが、それをベースにしても、2019年度と比べ2020~2022年度では、事業利益率を1%しか伸びないということ。 しかもオーガニック成長率は重点事業のみと聞いているので、もう少し伸びる計画でなければいけないのではないか、の問いに) ご指摘のとおりである。 ただ調味料・食品事業の中には日本ももちろん含まれる。 また事業利益率が1%しか変わっていないという部分については、一定のマーケティング費用の増加を見込んでいるためである。 (すると、2020~2022年度の3年間で事業利益を300億円程度伸ばす計画であり、このうちの大きな要素は調味料・食品事業の事業利益成長かと思っていたが、少し違うイメージを持ったほうがいいのか、の問いに) 約300億円の収益改善の内訳については、単価アップによるものが約100億円、構造改革によるものが約100億円、低資源利用発酵も含め、事業活動の中で生み出すコストダウン約100億円となっている。 (ということは、単価アップによる収益改善約100億円については、金額規模が少し小さいという指摘があるが、マーケティング費用の増加も勘案したNETという理解でよいか、の問いに) 約300億円の収益改善は、参考資料36ページ以降で示している事業別プランの中に含まれている売上高成長に伴う事業利益の伸びから、全社でリスクを差し引いた数値になっている。 (では、前提が違うため正確ではないが、36ページ以降に記載の3つの事業で計算した事業利益の積み上げから、リスクを考えて下に下げた金額が約300億ということか。 あくまで目指すのは、今後3年間で事業利益を約300億円伸ばす、という理解でよいか、の問いに) 共有させていただきたい数字は300億円である。 (その約300億円は、中間期の修正予想から足し上げればよいのか、あるいは1月末までの実績を考慮した着地見込みからなのか、の問いに) 大変申し訳ないが、1月末時点の実績を勘案した着地見込みは中間期の修正予想より上振れており、そこを発射台にしている。 今回の中期経営計画(以下、中計)の内容については、皆さまと同じ情報をオンラインで、またオンデマンドで社内に共有している。 発表直後から社内説明会を私のほうで進める予定であったが、こういう環境になり、4月の頭以降にずれている状況である。 皆さまに説明した内容よりもさらにかみ砕き、変革と成長をどう取り戻すかということについて、細かいところまで対話しようと考えている。 社内の受け止め方だが、2018年度中間期の業績見通しの際にアセットライト化ということを表明し、資本の効率性という観点で社内にもアナウンスした。 今中計のガイドラインは2019年7月に出し、2019年度中間期の決算発表等でもあらためてそのエッセンスについて話をした。 コーポレートについては、業務の効率化のためにアクセンチュア社とJVといった具体的なものが進んできたし、海外の機能型のグループ会社についてもスピンオフを決め、具体的な施策が先に走る形であったので、今中計の骨格を共有する中で、言ってきたことが先に進んでいるという受け止め方はしているだろう。 ただ、詳細についてはよく分からないところも多々あるので、できるだけ速やかにギャップを埋めていきたいと思っている。 共有するにはこの数カ月が勝負であり、私自ら職場対話をしていきたい。 頂いたご質問は、これから投資家の皆さまと分かりやすい観点で共有しないといけないところだろう。 この層をつかまえていくためにはいくつかの要素があるが、やはりEコマースやインハウスのものも含め、生活者にダイレクトに製品を届けていくことが乗ってくるという実感を持てると、もともと海外で営業力の強い当社のいわゆる陸軍型の組織も、これに乗っていけるのではないかと思っている。 この2つをうまく使い、高・上位中間所得層の市場に飛び付いていきたい。 (ダイレクトに製品を届けていくとなると、今までの営業マンやリソースと違った組織や人材の投入も必要ではないかと思うが、そのあたりも加速度的に進めていけると考えていてよいか、との問いに) 日本から中国や東・東南アジアへの輸出については、専任の組織を新体制でつくっている。 この組織を固める前に半年かけて実際にタッチポイントを作ってきたところであり、実稼働の段階に入る。 特に東南アジアにおいてデジタルマーケティング、そしてダイレクトに顧客に届けるBtoCのビジネスが急速に立ち上がってきており、ここは外部人材を登用することを検討している。 全体の利益成長に向かって構造改革が進んでいくのは、ご認識の通り2021年度の中ごろ、2022年度になるだろう。 既に申し上げた通り3年間で300億円程度の収益改善を目指しており、このうち200億円がコストダウンと構造改革の部分。 これまで、コストダウンは低資源利用発酵の進捗という形で共有していたが、これに業務革新による効率性によって出てくるコスト改善が乗ってくる。 初年度では、この2つのコスト削減を通じた効率化をぜひ見ていただければと思う。 また事業ポートフォリオの組み替えによる構造改革の部分については、結果的に赤字の削減、黒字への転換につながるわけだが、これについてはできるだけ2020年度に実行したいと考えている。 しかしながら、相手先との交渉の関係で一部2021年度にずれこむ可能性が高いものもある。 このあたりを見ていただくと、一番分かりやすいのではないかと思う。 組織における変化のポイントはマネジメント層の考え方が大きく変化したこと。 今回の新しい計画を一言で申し上げると、短期のPLを積み上げる事業拡大の戦略から、ROIC経営に舵を切るということで表現できると思うが、それに対する理解や重要性を認識している経営層に変わったということである。 実効性という観点について言うと、単にリーダーシップをとるだけでなく、組織のカルチャーにつながるような仕事の仕方、仕組みそのものを変革していかなければいけないというところに今きている。 これについては、影響力の大きい組織や法人から着実に実行することでベストプラクティスを示しながら前に進めていきたい、というのが前中計と大きく違うところだ。 これまで2020年度にグローバル食品企業トップ10クラス入り、という目標を掲げ10年間走ってきたが、今後はこの目標に対して全体で走らせながら、一方ではマネジメント層で次の10年につながるような全体の仕事の仕方の棚卸し、あるいは着眼点について変化させなければいけないという議論を積み重ねてきた。 Yes。 ベースとなるエンゲージメントサーベイは、さまざまなリーダーシップやASVといった経営のビジョンへの信頼感や賛同性に加え、このビジョン実現を自分の仕事として捉えられているかどうか、あるいは自分のやっている仕事がビジョンの実現につながっているかどうかという観点でも測っている。 これまで2017年と2019年の2回に渡りエンゲージメントサーベイを実行しており、トップの項目にくるASVに対する信頼と、これを旗頭に味の素グループが進んでいることへの賛同は、80%の社員がYesと表現してくれている。 これはグローバルに見ても大変高いレベルだと思っている。 しかしながら、ASVの自分ごと化という観点では55%にとどまっており、ここが大きな課題と考えている。 従って、ここを80%に上げていく。 さらに理想として、2030年には本当のエクセレントカンパニーとして85%のレベルに上げるということを、組織のマネジメント上の PDCAに組み込むことがポイント。 今後、エンゲージメントサーベイは2年に1回ではなく、毎年実行することに変えている。 これまではPL志向であり、事業利益を短期的に上げるためにどちらを取るかという判断基準であった。 新しい事業への投資、あるいは構造的によりよくしていける事業への投資を縮小し、足元の短期利益のために仕事をするということが組織の中に染みついており、これが大きな課題だと思っている。 今後指標とする中期的なROICは、年度ごと、事業ごとのROAで構成される。 これを組織の目標として置き、そのために仕事をするという意識に変えていくことがリスクに対する強さにつながるのではないかと思う。 今回の戦略の中に価格を上げるということが組み込まれている。 日本では、和洋中の風味調味料のうち、減塩タイプの製品の構成比は5%程度。 ただし、ユニットプライスはレギュラー品に比べ20%以上高くなっており、全体では2桁成長をしている。 従って、国内の調味料・加工食品は現在1. 6%程度のCAGRであるが、このうちの1%の部分はそれらの製品群が押し上げている。 このようなことは、現Five Starsのみならず海外では全く取り組んでこなかったため、まずここを目指していくというのが、新製品という意味での期待値である。 (既存の風味調味料ブランドの中でレギュラー品と減塩商品をつくっていくということか、との問いに) Yes。 減塩については共通のブランドを使うのが一番よいと思っている。 (今、日本は5%で、さらに10%ぐらいに上げていくということ。 海外はほとんどゼロだが、日本のようにまず5%程度を目指してやっていくというイメージでよいか、との問いに) Yes。 海外の風味調味料で圧倒的にボリュームが大きい国での減塩製品展開は、現地での生産を整えるのに少し時間がかかるが、いずれにしても2021年度には減塩タイプが揃うようにしていきたいと思っている。 グローバルのサプライチェーンマネジメントの強化については、在庫管理、需要予測の精度アップについて、AIを用いた手法を現在検討している。 これを何とか2022年度までのフェーズ1に組み入れていきたい。 当社の課題はB to C、それからグローバルでサプライチェーンを構築しているB to Bビジネスにおいて、グローバル企業と比較しても在庫が非常に多い点。 現在、キャッシュコンバージョンサイクルが100日を超えており、キャッシュマネジメント上の大きな課題になっている。 一番大きな部分が在庫であり、これを削減するために、サプライチェーンマネジメントの強化を掲げている。 (在庫管理の問題を改善するということであるが、今の問題点はどこにあり、どのあたりが大きく変わってくるのか、との問いに) 工場、物流、事業全体をコントロールする事業部というように、多部署にわたって需要予測に関わる仕事が発生している。 顧客に迷惑を掛けないよう、より安全サイドで見積もるため、在庫が必要以上に積み上がる。 AIと申し上げたのは、DXに最も期待するところであり、人間の予測を介在しない形でできるだけ少人数のメンバーとAIでこれをマネジメントしていく形に持っていきたい。 これは大きな成果が出るのではないかと思っている。 (改善金額のイメージや最も効果が出そうな領域など、具体的なイメージはあるか、との問いに) DXの段階でいうと、現在はDX1. 0という段階にあり、試行錯誤を繰り返している。 これによって改善されるキャッシュは、フェーズ1のところではそれほど大きな金額を入れていない。 期待値としては、2023年度以降には数百億のレベルで在庫を圧縮できるように持っていきたい。 2022年度までの営業キャッシュフローの計画も、現時点から極端に増えているわけではないので、フェーズ1ではまだトライ・アンド・エラーを行う時期と考えている。 (当社も以前からDXに取り組んできていると思うが、国内の他社の事例ではDXとグローバル化に取り組み、目に見えて成果が出てくるまでに10年ぐらいかかっている。 今後10年かかるといわれたら厳しい。 できれば当社は専門人材の投入も含めて加速化し、3年程度で済むように頑張っていただきたい、とのご意見に) 3年のイメージで考えている。 便宜的にコモディティとスペシャリティに分けているが、動物栄養事業全体の構造改革を最優先する。 動物栄養事業全体をなくしていくこともあり得る。 ただ、大事なことは、当社にとってスペシャリティ事業のボリュームは小さいが、非常に収益性の高い事業であり、これを切り離して構造改革するということも併せて考えている、ということ。 順番としては構造改革が最優先であり、できることなら小さいが収益の高いスペシャリティ事業を残したいということ。 仮にスペシャリティ事業が残った場合は、ヘルスケア等のセグメントに入るが、全体のROICに影響を及ぼす規模ではなく、非常に小さな収益事業が一つ残るということ。 また、顧客に対するサービスが必要だから両方を残しているという説明に対する整合性だが、これは当社が売却なり提携先を模索する中でユーザーやディストリビューターをバトンタッチしていくという考え方であり、顧客視点の重要性は担保していきたいと思っている。 (仮に動物栄養事業のスペシャリティを残したとしてもROICへの影響は小さいという話があったが、そうであるならばこの小さい事業を残すべきなのかと疑問に思った。 顧客志向でやむを得ず残すということになるのか、との問いに) 繰り返しになるが、構造改革をまず最優先にする。 ただし、相手先と話していく過程の中で様々なオプションがあるということであり、必ず残すとは申し上げていない。 コモディティとスペシャリティに分けた場合、スペシャリティの事業は全体からいうと小さく重要度は低くなるが、これを全社のソリューション型ビジネスと位置付けた場合、顧客の課題解決に繋げられる可能性も残っている。 従って、資料上では便宜的に分けているということ。 20-25中計でやらなければいけない変革は、単にポートフォリオの組み換えや、経営指標の変革に留まらず、会社のカルチャーそのものを変革していくことになる。 それぞれの事業が個別に作っていた仕事の仕方のようなものを統合していく。 このカルチャーを作っていくためには、人財の能力を最大限に引き出すマネジメントが必要である。 当社は、アミノサイエンス事業と食品事業との間に大きな壁のようなものが出来上がっている。 マーケティング、研究開発、生産など、様々なバリューチェーンの中に壁が知らないうちにできてしまい、結果として構造的なカルチャーの弱点があると思っている。 この観点では、社員と向きあえるということだけでなく、仕組みを変えることについてもリーダーシップを発揮できるリーダーが相応しいだろうと思っている。 単にビジョンだけで仕事を関連づけるのではなく、具体的に組織マネジメントを掌握して、食と健康の課題解決カンパニーを目指していけるリーダーであること、これが最優先事項である。 仕事の仕組みを変えていくためには、社外の優れた知見や経験を持っている方々をマネジメントチームの中に入れ、マネジメントの仕方をきちんと整えていくことも併せて必要だろう。 その意味ではオープン&リンクを率先垂範できるようなリーダーシップが、次に大事なことだと思っている。 20-25中計では、フェーズ1で主に構造改革をやり、フェーズ2の成長回帰につなげていくことがポイントである。 フェーズ1では300億円程度の事業利益を積み上げていくが、内200億円が構造改革とコストダウンである。 したがって、フェーズ1の中の更に前半においてこの部分が好転していくことが、まず一つのコミュニケーション上の大きなポイントになるだろう。 重点事業における成長モメンタムをどのように作り上げていくかについて、2つの観点がある。 1つは当社のドライバーであるが、成長が鈍化してきている現Five Starsにおいて、具体的な健康訴求により成長のカーブをどう取り戻すかということである。 当社のこれまでの成功モデルである陸軍型の仕事の仕方で、単に一生懸命やるというわけではない。 例えばEコマースへの取り組みや、デジタルマーケティングへの新しい取り組みについては、ベストプラクティスを早期に示していく必要があると思う。 この分野は当社のこれまでのメンバーでは弱点があると考えており、外部のスペシャリストと連携して仕事の見える化をしていきたい。 もう1つの観点は、2023年度以降の立ち上げを計画している新しい事業であり、ここについてはできるだけ早く仕組みを示していきたい。 (その際に、今ある当社の製品、マーケティングやチャネルの開拓等で、一定程度は改善できるのか。 それとも、2023年度以降の新しい事業を待つ必要があるのか、との問いに) 強い調味料事業で健康価値を訴求したマーケティングにシフトしていくことは、今の事業形態も含めての戦略である。 新しい事業はこれにオントップしてくる形であり、ビジネスそのものを強化することが大前提になっている。 社長就任以降、17-19中計の中で、ASV経営によりビジョンを共有することついては浸透できたと思う。 事業を通じて社会課題に貢献することについて、社員や組織のコンセンサスが得られるようになっていたので、今回のビジョンの変更がスムーズに行えたと思っている。 したがって、フェーズとしては次の段階に移行する準備ができたと捉えている。 その中での難しさは、ビジョンだけで変われるものではないということ。 仕事の仕方、評価の仕方を回転させていくようなマネジメントシステムや仕組みが重要である。 これまでの分業という形では当社の強みは生かせないので、人的資産や経験値としての財産を協働することで、モメンタム作りに入るということである。 これを実践的にやっていくためには、いくつかのベストプラクティスを早期に生み出していかなければいけない。 今後構造改革において、アセットライト化によるポートフォリオの見直しを実行する中で、ベストプラクティスを示していかなければ組織の活力が出ない。 そのような段階に入ったと思う。 (仕事の仕方や評価の仕方といった、いわゆる会社としてのスキームの変更は、2020年4月から走り出すと考えてよいか、との問いに) 重要なKPIは、中計資料6ページで赤の網掛けをしているKPIである。 黄色の網掛けのKPIは対外的に常時共有するものではないが、社内ではこれを組織目標の中に位置付け、それにより評価が行われるような形にしていく。 これは4月からスタートする。 また、ROIC経営を実行していくためには、KPIのみならずカルチャーを変えることが一番難しいだろう。 短期の事業利益の積み上げを最優先するカルチャーを、ROIC経営によって中期的に効率を高め、オーガニック成長の意識に変えていけるかということが大きなポイントである。 これまでのマネジメントシステムは組織により異なっていた。 オペレーショナル・エクセレンス(OE)を使う部門もあれば、生産部門などはTPM活動の流れを用いた改善活動を行い、また別の組織は5Sの日本モデルのシステムを使うといった形だ。 これを4月から、OEに統一していく。 するとPCDAがどのようなレベルにあるのか横軸で比較しやすくなるので、これにより組織が自走化できるような仕組みを標準化していきたい。 (新しいOEを浸透させるため今までのやり方を捨てることも必要になると思われる。 マネジメントサイドからその仕組みを整えるために、どのようなことをしているか、との問いに) 数あるマネジメントシステムの中でOEを選んだ唯一のポイントは、顧客志向である。 ここには顧客価値を上げるために、業務の全てを効率化していくという概念が入っている。 バリューチェーンをつなげることで、事業のみならず、コーポレートあるいは生産部門においても、最終的にはこれが顧客価値の向上につながるということが見えてくる。 例えばコーポレートの仕事は顧客価値の向上を直接的には実感しにくいが、組織のOEの中に川下には顧客がいるという考え方を組み込むことにより、顧客視点で役に立たない仕事は必然的にそぎ落とすようなマネジメントを定着させたい。 また一人当たりの時間生産性が高まるという観点で、非常にシンプルに個人評価につながってくるだろう。 これは今までの働き方改革において総実労働時間を1,800時間程度にしてきたというレベルとは一段違う。 1,800時間の中で健康経営を保ちながら、顧客価値を上げるための仕事に時間を費やしていく。 そのようなことを、組織マネジメントと個人評価に紐付けていきたい。 現Five Starsにおいても、既に調味料のマーケットで付加価値の高いカテゴリーが出てきている。 グローバル戦略のヘッドクオーターから現地の責任者へ、マーケットで付加価値の高いカテゴリーが顕在化してきているという事実を共有するところからスタートしている。 プレミアムなカテゴリーは、当社が得意とするトラディショナルトレード(TT)や一部のモダントレード(MT)ではなく、主にEコマースや、B to Cの別のビジネスから始まっていること、また付加価値型の製品に各国の市場が受け皿を持っていること、は共有できている。 メニュー用調味料についても、さらにプレミアムを志向した製品コンセプトや設計により、まだチャンスがあると思っている。 減塩により基礎調味料、風味調味料のベースを上げながら、新しいプレミアム型製品を組み合わせていきたい。 海外ではまだプレミアム戦略をほとんど取ってきていなかったので、現Five Starsには実例がない。 日本では、風味調味料の中で和、洋、中、全てのタイプの減塩製品を持っており、売上高構成比としては5%程度だが、ユニットプライスは通常の製品より20%程度高い。 ここが2桁成長しており、日本の風味調味料のカテゴリーを1%押し上げるモメンタムを作っている。 海外でも同様の製品を早く発売し、全体の押し上げ効果を図っていきたい。 (今まで現地と共有できていなかった部分があったが、それを本社のガバナンスで共有するコミュニケーションに変える、という理解でよいか、との問いに) 現地法人が仕事をしやすいよう本社がバックアップする構造が出来上がってきた時に、市場の変化が起きていたということである。 今回コンシューマーフーズ事業をグローバル事業部に改組したのは、競合と戦うのと同じような観点で、社内でも葛藤がないとチャレンジングなことは生まれてこないという考え方に拠る。 (グローバル事業部の人財や知見が、現地で情報を持っている人と伍する形でなければいけない。 そこに対する人財投資について、社内外でどのように取り組んでいるか、との問いに) アミノ酸の働きを使って食品を強化するという観点では、人財の配置転換を実行する。 健康栄養に関する知見の高いメンバーを、食品の組織の中に組み入れていく。 2019年に研究所では、基礎的研究や分析力に秀でたメンバーを、食品研究所あるいはバイオ・ファイン研究所に配置しており、成果が見えてきている。 これを事業分野でも行うことによって、より強くしていきたい。 また、デジタルマーケティングやB to Cの分野については、既存の食品メーカーやベンチャー企業が多く参入してきているので、外部人材が必要だと考えている。 全体のマネジメントとしては、特にパーソナル栄養に関する新しい事業を作るということで、各事業部に散在しているタスクを社長直下のタスクに統合し、ここに外部から人材を招く。 特にB to C、デジタルマーケティングの分野については、ASEANも含めてカバーしていく体制でやっていきたい。 これは人の問題であり、単純に固定費が戻るということではないと思う。 今、味の素社単体の基幹職に対し特別転進支援施策を発表しており、今月中に大体目途がつく。 この背景にあるのは、アセットライト化に伴う事業ポートフォリオの集中である。 これまでいくつか事業の構造改革に取り組んできたが、そのメンバーが味の素社に戻ってきたときに、残念ながら新しいキャリアを描くことが難しいメンバーも出てきていた中で実行に移した。 その点では、今回一つのハードルをクリアしたのではないかと思っている。 また、非重点事業に関しては、事業の転換ということになれば、例えばタイの飼料用アミノ酸リジンの生産を止めMSG生産に転換した場合、所属するメンバーはMSG事業でカバーできる。 むしろ慣れたメンバーが残ってくれるということは、大変有効な人財の使い方になる。 (事業の再構築は常に起こるものであるので、今後そのような際には、人財に関する流動化が機動的に起こっていくというイメージでよいか、との問いに) できれば追い込まれる前に、Win-Winになれる形で事業の再構築を進めていけると、組織としても痛みが小さいのではないかと思っている。 2022年度には「グローバル食品企業トップ10クラス入り」の諸条件である、財務的指標やESG指標についてほぼ実現できるだろうと思っている。 従って、これまでの目標に対して3年遅れでの達成ということになる。 その中で、今回トップ10クラス入りという目標を取り下げた最大の理由は、資本の効率性という観点である。 2022年度時点では、トップ10クラス入りとして株主の皆さまやその他ステークホルダーの皆さまから評価をいただくような資本の効率性が実現できない。 今回、構造改革についてはかなり踏み込んだつもりであるが、ROICは2022年度でもまだ8%ということである。 これはグローバル食品企業の平均値にしか過ぎないということで、トップ10クラス入りという表現をやめた。 ベンチマークについては、ROICでは2030年に13%を超えることを目指したいと思っている。 そしてその時のオーガニック売上高成長率は5%。 この2つの要素は、グローバル企業トップ10クラス入りしている企業のクライテリアだと認識しており、その点ではベンチマークを変えたというわけではない。 中計策定の中においては、2030年のビジョンを「食と健康の課題解決」企業と定めるところ、またそれに向けた事業の骨格について、社外取締役の皆さまに大変大きな役割を果たしていただいた。 何度も取締役会の中で、この計画について議論をした。 2019年、取締役会の下部機関として私が議長を務める経営基盤検討会を作り、社外取締役と連携しながら作ったのが今回のプランである。 したがって完全にコミットしていただいていると思っている。 まだ不完全なところ、特に実効性をどう高めるかということについては、現在進行形で色々なサポートをいただいている。 (社外取締役から企業価値という観点で見た時に、一番の課題と認識されているところはどこなのか、との問いに) 17-19中計における企業価値についてのコミュニケーションの中では、財務と非財務から成る統合価値をコーポレートブランド価値とする、とお伝えしていた。 確かにコーポレートブランド価値について、インターブランド社の評価軸の中に、財務指標とESGの観点が半分ずつ入っているが、顧客、そして従業員という観点が希薄であった。 そして大変残念ながら、われわれがいくらESGと言っても、直接時価総額につながるという観点ではまだまだ不透明な部分が多い。 そこで今回は、企業価値を3つの分野から成るものとして位置付けた。 時価総額、顧客価値としてのコーポレートブランド価値、従業員のエンゲージメントの3つのバランスを取りながら、全て向上していくような経営に変えていこうということである。 この点については社外取締役からもかなり評価をいただいている。 (どちらかといえばバランスを取ったということかと思う。 今回の中計においては、ROICとWACCの関係性をより重視し、財務的な基盤からしっかり取り組むことで価値を創出することに重きを置いたと理解したがよいか、との問いに) 企業価値を構成する要素を3つと置いたのは、あくまでもアウトカム的に測れる指標としてである。 従業員のエンゲージメントとコーポレートブランド価値を高めることが、経済的な価値として時価総額につながっていくということは切り離せるものではなく、サイクルで回っていると理解している。 したがって、バランスを取るというよりは、3つの価値がバリューチェーンという形でつながって価値を上げていき、最終的には投資家の皆さまが評価される時価総額の向上につなげていく、という構造にしていこうと考えている。 今回は事業の公表区分ごとに、ROICとWACCの関係を示し、これを改善していきながら、全社では2022年度に8%、2025年度に11%、2030年には13%を超えるレベルを目指していくということをお伝えさせていただいた。 ROICというのは非常によいところがある。 当然だがPLだけではなく、BSまで分解し、両方の観点で高めていかなければいけない。 ROICツリーとして示し、具体的なKPIという形で組織に落とし込み、マネジメントしていこうと思っている。 例えば具体的には、中計資料6ページに「変革の全体構造とKPI」として、人財、顧客、財務という観点で、重点KPIを赤の網掛けで示した。 これは皆さまと常時コミュニケーションをするためのKPIである。 黄色の網掛けのKPIは、適時皆さまとの対話にも使っていくものだが、社内においてはこちらも重要な管理指標として、常時追いかけていく。 これまでの最大の組織的な課題は、中計の目標が売上高と事業利益で主に構成されており、それが各事業まで分解されていたことで、どうしても一年ごとの事業利益を積み上げていく形になってしまっていたこと。 各事業部門はそれを最優先にビジネスマネジメントをすることが染みついている。 今後は、短期のPL志向ではなく、全体の目標として掲げた中期的なROIC改善を追いかける組織に変えていくというのが、フェーズ1の大きなチャレンジである。 これはしっかりとやっていきたいと思っている。

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「イレギュラー」の意味とは?用語・英語との意味の違いも徹底解説!

どうして イ レギュラー は 発生 する ん だ ろう

図1:ろう付け技術の概念図 ろう付け前、一定の隙間を持つ母材接合部の外周部へ、ろう材を配置します。 その後、全体を加熱します。 液相線温度を超えると、ろう材は溶け出し、母材に対して良好なぬれを示す溶融ろう材(のりの役割を担う合金)となります。 ぬれとは、溶融したろう材が母材に接触した際に、表面上に広がる現象のことです。 ろう付け中、溶融ろう材が、母材の隙間へ毛細管現象により浸透します。 毛細管現象とは、乾いたタオルが水を吸い込む時の物理現象と同じです。 その後、溶融ろう材と母材間で生ずる界面反応により、十分な冶金的接合を達成します。 最後に凝固し、継手が完成します。 以上をまとめると、ろう付けは、被接合材(母材)を母材とは異なる金属(主に合金、ろう材)で接合する技術です。 具体的には、母材とろう材を、ろう材のみが溶融する温度まで加熱し、溶融ろう材を接合部へ毛細管現象により浸透させます。 さらに、溶融ろう材と固体母材間で生ずる界面反応現象と、それに続く凝固過程で、界面に強固な冶金的な接合を生じさせるものです。 モノとモノを接合する方法は、多様に存在します。 機械的にボルトとナットで固定する方法、接着剤で接合する方法、金属を溶かして接合する溶接などがあり、それぞれに一長一短があります。 その中でも、ろう付けは、最も古い冶金接合技術であるといわれており、エジプト期の文化遺産の製造にも用いられていました。 長い歴史の中で、さまざまな進歩を遂げ、現在も多くの工業製品で、部品同士の高品質な接合を得るために活用されています。 ろう付け、溶接、はんだ付けの違い 溶接は、ろう付けと並び、同じ工業製品の接合でよく使われる技術です(参考:)。 また、はんだ付けという接合技術も、広く知られています。 では、ろう付けと溶接、はんだ付けとは何が違うのか、具体的に見ていきましょう。 溶接では、溶接金属でつなぐと同時に、エネルギー密度が高い熱源により、母材そのものを局所的に溶かして接合します。 図2は、溶接前後の溶接部の断面図を示したものです。 溶接後には、母材が溶接金属の熱により溶け、接合面が変形しているのが分かります。 対照的にろう付けは、母材をほとんど溶かさない接合法です。 従って、微細精密部品や、薄板の精密接合に適しています。 微細精密部品接合の代表例が、電子基板へのはんだ付けです。 はんだ付けの原理は、実はろう付けと同じです。 継手の用途や要求性能が異なり、のりの役割を担う合金をはんだと呼ぶため、ろう付けと異なる技術とよく勘違いされています。 異なる点は、ろう材とはんだの液相線温度です。 ろう付けの特徴 ろう付けの長所と短所を確認しましょう。 <長所>• 母材をほとんど溶融することなく、薄板や精密部品の接合が可能。 ろう材の浸透により、複雑な形状の部品や、多数箇所を接合する部品の同時接合が可能。 ろうおよびろう付け法の選択により、異種金属同士や金属と非金属の接合が可能。 ろうと母材の融点が異なるので、再ろう付けや取り外しが可能。 最適接合条件下であれば、母材同等かそれ以上の接合強度を得ることが可能。 比較的作業が簡単で仕上がりが美しく、自動化や大量生産化にも向く。 <短所>• 加熱を伴う作業のため、熱影響は避けられない。 接合部にはろう材、母材という異種材料界面が存在する。 これは、継手の性質に若干影響を及ぼす。 継手精度の管理が難しい。 このように、ろう付けは数多くの特徴を有しています。 続いて、溶接との対比において、ろう付けの最大の特徴となる利点を解説します。 日常生活でモノとモノを接合させる時、簡易的な部分接合を行うホチキスや粘着テープ類の他に、接着剤やのりを用いることが多いでしょう。 この場合、のりなどを接合全面に塗布し、面と面を十分に密着させ、乾燥させることによって接合させます。 一方、ろう付けは、接合面を完全に接合する技術でありながら、ろう材(のりの役割を担う合金)を接合面全面に塗布する必要がありません。 図1のとおり、接合部の外周部に設置したろう材は、溶融後に隙間に毛細管現象で浸透し、接合部を形成します。 従って、ろう付けは高い気密性や水密性などが求められる接合部に向いています。 代表的な事例が、自動車エンジンやエアコンなどの家電品に利用されている、熱交換器です。 熱交換器とは、2種類の物質間で熱のみを交換するシステムであり、高信頼と高機能が要求される部品です。 熱交換器内の両物質は、完全に分離されている必要がある一方、両物質間を隔てる壁には、熱交換のために、薄さと高い熱伝導率が要求されます。 金属薄板は、両者を兼ね備えた唯一の材料であり、この接合に適した技術が、ろう付けです。 これが溶接の場合、接合部に沿って局所的なエネルギーを投入し続ける必要があります。 従って、溶接部はエネルギーを投入できる形状としなければならず、一般的には線状または点状の接合部となります( 表1)。 第2回:ろう材の種類とぬれ 前回は、ろう付けの定義や特徴について述べました。 今回は、接合部の品質を左右する溶融ろう材と母材間の現象・ぬれと、ぬれを算出できるヤングの式、ろう材の種類・形態などを解説します。 ぬれの原理、各ろう材の特徴、母材との相性を学び、堅牢なろう付けを確実に行えるようになりましょう。 ぬれとヤングの式 ろう材とは、ろう付けでのりの役割を担う合金です。 加熱により溶融金属となったろう材は、設置された母材の隙間へ浸透し、継手を形成する役割を果たします。 この時、母材を傷つけないために、ろう材の融点(液相線温度)は、母材の融点(固相線温度)より低い必要があります。 また、溶融ろう材は、母材に対してよくぬれる必要があります。 ぬれとは、溶融ろう材の表面張力と、母材の表面張力、溶融ろう材と母材の間に発生する界面張力の3つの力の関係によって、決定する物理現象です( 図1)。 図1:ヤングの式と、ぬれの原理 図1を解説します。 これら3つの張力は、物質特有の値であるとともに、温度依存性を示す物性値です。 溶融ろう材(液体)を母材・被接合材(固体)上へ滴下すると、直後は 図1左のように液滴となります。 時間経過に伴い、ぬれに関するヤングの式が成立するまで、すなわち3つの張力が釣り合うまで、母材上の溶融ろう材は広がり、やがて止まります( 図1右)。 この現象を、ぬれと称します。 母材の表面張力が大きいほど、また溶融ろう材の表面張力が小さいほど、ぬれが生じやすいといえます。 また、張力は温度の関数です。 従って、ろう材と母材の組み合わせと、ろう付け温度によって、ぬれの状態は変動します。 母材表面の酸化皮膜、汚れなどは、ぬれの阻害因子となります。 また、母材表面のミクロ的な形状(粗さ)も、ぬれに強く影響を及ぼします。 さらに溶融ろう材と母材間で界面反応が生じると、初期界面は移動します。 界面反応とは、界面を挟んだ両物質間で行われる、原子のやり取りのことです。 界面反応によって、界面近くの母材とろう材の組成は変化します。 この変化が、継手の性質に影響を及ぼす場合があるので、十分に注意しましょう。 ろう材の種類と用途 世の中の工業製品を構成する金属材料や使用環境は、多種多様です。 個々の金属材料に応じたろう材を、選択・製造する必要があります。 しかし金属材料の種類は膨大に存在し、それぞれにろう材を選定することは現実的ではありません。 実際には、7種類のろう材がJISで規格化され、主に使用されています( 表1)。 表1:7種類のろう材のベースとなる金属と特徴(参考:JIS Z 3261銀ろう、JIS Z 3262銅および銅合金ろう、JIS Z 3264リン銅ろう、JIS Z 3265ニッケルろう、JIS Z 3266金ろう、JIS Z 3267パラジウムろう、JIS Z 3268真空用貴金属ろう) ろう材の名称 ベースとなる材料 特徴 銅・黄銅ろう 純銅(Cu)、銅(Cu)合金 純銅(Cu)は鉄系材料に対して、良好なぬれを示す リン銅ろう 銅(Cu)-リン(P)系合金 銅(Cu)合金のろう付けに適している。 比較的安価。 銅(Cu)とリン(P)がもろい化合物を形成する場合があり、注意が必要 銀ろう 銀(Ag)-銅(Cu)合金 汎用性が高く、アルミニウム(Al)合金、マグネシウム(Mg)合金以外の全ての金属材料に利用可能。 ただし、銀(Ag)を含有しているため、高価 アルミニウムろう アルミニウム(Al) -ケイ素(Si)合金 アルミニウム(Al)合金やマグネシウム(Mg)合金への使用が対象。 アルミニウム(Al)合金製自動車用熱交換器の製造にも用いられる ニッケルろう ニッケル(Ni)合金 ステンレス鋼や耐熱合金などに用いられる。 近年は、自動車エンジン用EGR(排気再循環)クーラーの製造で多用 金ろう 金(Au)合金 高価であるが、高耐食性など優れた特性を示す。 電子素子の封止などに利用される パラジウムろう パラジウム(Pd)合金 高価であるが、高耐熱性などに優れた特性を示す 続きは、保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 ろう材の形態 保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 第3回:ろう付けと冶金 前回は、ろう材の種類とぬれの原理を解説しました。 ろう付けでは、母材とろう材の原子同士が、金属結合することによって強固な接合が生まれます。 今回はこの仕組みを理解するための土台として、金属材料の特徴や構成、合金、また金属材料の中でも特に使用頻度の高いステンレス鋼について学んでいきましょう。 金属材料の特徴 世の中にはたくさんの工業材料があり、形態も固相、液相、気相などさまざまです。 表1は、金属・セラミックス・ガラスなど、固相状態で使用する主な工業材料の特徴を、まとめたものです。 熱伝導性・電気伝導性の高さ、外力に対して割れずに変形する材料の粘り強さ、比較的高強度で破壊直前に塑性変形すること、添加元素やミクロ組織制御により材料特性を設計できることなどが挙げられます。 これらを生かせば、日常検査で破損の予兆を検出し、破損前の部品交換が可能なため、製造の安全管理や製品の長寿命化にも貢献できます。 材料の表面を処理しやすい点も、金属材料の利点です。 最近は、生体材料としても注目されています。 一方、金属以外の材料が優れた特性を持つこともあります。 セラミックス材料は高硬度や高耐熱性を示し、生体材料にも用いられます。 高分子材料や複合材料は軽量であり、炭素材料は軽量高強度材料です。 木材は、圧縮荷重に強い耐力を発揮します。 合金の結晶構造 金属材料を工業材料として利用する場合、純金属が用いられる例は少なく、通常は合金を使用します。 合金とは、2種類以上の金属元素を混ぜ合わせた金属材料です。 混合比率(一般的には濃度、冶金学では組成と呼ぶ)が諸特性に強く影響を及ぼします。 例えば、ゴールドのアクセサリーの多くは、18K(純金は24K)の合金で作製されています。 純金属が比較的軟らかく、傷つきやすい性質を持つので、強度を増すためです。 合金は無数に存在し、現在も新しい合金が開発され続けています。 金属材料は、規則正しく配列した原子で構成されています。 原子直径は1nm以下なので、直接観察することはできません。 ところが、規則正しく配列した原子は、結晶を構成します。 このように結晶サイズ、形、色などを観察できる状態を、金属材料のミクロ組織と呼びます。 ミクロ組織は、金属材料の性質に強く影響を及ぼします。 金属材料を理解するには、まずミクロ組織を観察し、規則性などを理解することが必要です。 金属材料の結晶は、原子構造が面心立方、体心立方、六方最密などの規則で配列しています( 図1)。 図2:鉄-炭素系2元系平衡状態図(引用:ASM International、Binary Alloy Phase Diagrams 2nd Edition、ASM International、1990年) 続きは、保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 ステンレス鋼 保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 第4回:フラックスと雰囲気の役割 ろう付けでは、溶融ろう材の固相母材(金属材料)に対するぬれが重要です。 一方、固相母材の表面には、ろう材のぬれを阻害する酸化皮膜などが存在しています。 良好なろう付けを行うためには、この酸化皮膜を除去する必要があります。 そこで今回は、母材の酸化皮膜を除去する2つの方法、フラックスと雰囲気について解説します。 固相母材表面の酸化皮膜 固相母材(金属材料)の表面には、さまざまな酸化皮膜が形成されます。 ろう付けでは、母材金属の酸化皮膜が溶融ろう材のぬれを阻害するため、取り除く必要があります。 酸化皮膜は、研削など機械的な方法で取り除くことも可能です。 しかし清浄な金属表面が酸素を含む大気中に露出すると、すぐに酸化皮膜が形成されてしまいます。 もし研削を真空中で行ったとしても、残留ガスに酸素が含まれるので、酸素分圧を十分に低減しない限り、酸化皮膜が形成されます。 また、複雑な形状を接合するろう付けの場合、全ての継手で固相母材表面に形成された酸化皮膜を機械的に取り除くことは困難です。 従って、機械的に取り除く方法は、ろう付けには不適切です。 ろう付けにおける母材表面の酸化皮膜の除去には、フラックスと呼ばれる化学薬品で除去する方法と、ろう付け雰囲気を制御することによって分解除去する方法があります( 表1)。 それぞれを詳しく解説していきます。 表1:母材表面の酸化皮膜を除去する方法 フラックス 雰囲気 酸化皮膜の除去方法 ・酸化皮膜を除去する化学薬品(フラックス)を塗布する ・ろう付け時の雰囲気(周辺の気体)を制御し、酸化皮膜を分解・除去する 注意点 ・適切なフラックスの選定、設置(塗布)が必要 ・ろう付け後に残留物を除去する ・専用の連続炉が必要 ・炉内(汚染)のメンテナンスに留意 ・還元に用いる水素ガスの取り扱いに注意 2. フラックスによる酸化皮膜の除去 酸素が含まれる大気中でろう付け体を加熱する場合、接合部の母材表面が酸化し、溶融ろう材のぬれが阻害されます。 従って、酸化皮膜除去のためにフラックスが必要となります。 フラックスとは、活性温度まで熱することで、金属表面に形成された酸化皮膜を分解除去する化学薬品です。 金属表面の酸化皮膜の種類は多様のため、フラックスもさまざまな種類があります( 表2)。 ろう付け時、ろう材と同様に接合部へ塗布して使用します。 フラックスを塗布する時には、溶融ろう材がぬれ広がる金属表面の酸化皮膜を除去する必要があるので、溶融ろう材がぬれ広がる面を予測する必要があります。 表2に示す通り、フラックスには性能を発揮する活性温度域があります。 この温度域を、ろう材の溶融温度よりわずかに低い温度に設定することが理想的です。 これらの温度に隔たりがあると、せっかくフラックスで酸化皮膜を除去しても、その後の温度上昇に伴い、母材が再酸化する場合があるからです。 また、強固な酸化皮膜を分解除去するフラックスは、塩化物、フッ化物、ホウ化物、ホウ酸塩などを主成分とした、比較的強力な化学薬品です。 フラックスが接合部に残留した場合、その部分から腐食する可能性があります。 このため、ろう付け後に残留したフラックスは、十分に洗浄する必要があります。 洗浄に使用した廃液の処理も、適切に実施しましょう。 なお、FB1-Aはトーチ・炉内・ディップろう付けに、FB1-Dはトーチ・炉内ろう付けに使用します。 FB2-Aは、一部のマグネシウム合金のディップろう付けに使用します。 FB3-A、FB3-Cのペースト形態のものは、一般用としてろう付け可能な鉄、非鉄金属およびその合金など、幅広い母材に使用できます。 FB3-Aの粉末・液体・スラリー形態のものは、鋼、銅、ニッケルおよびその合金に使用できます。 FB3-Cのスラリー形態は、耐熱性および長時間加熱性が優れています。 トーチ・炉内・高周波ろう付けで使用するFB3-Dは、活性温度がニッケル合金・超硬合金より高温になっています。 トーチろう付け専用のFB3-Kは、フラックス中を通過した燃焼ガスにて供給します。 FB4-Aは、アルミニウムを含む合金など、強固な酸化物を有する金属類のろう付けに適しています。 続きは、保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 雰囲気による酸化皮膜の除去 保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 フラックス・雰囲気と加熱源の関係 保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 第5回:加熱源の種類 前回は、母材の酸化皮膜の除去法であるフラックスと雰囲気を説明しました。 今回は、ろう付け時の加熱源について解説します。 トーチろう付けや工業炉、高周波、電気抵抗、レーザなど、加熱方法の違いやそれぞれの特徴、注意点を学びましょう。 ろう付けの加熱源とは 良好なろう付けを行うためには、溶融ろう材が固相母材の表面に対し、十分にぬれる必要があります。 このために重要なのは、溶融ろう材と母材金属を同一温度に加熱することです。 従って、ろう付けでは加熱源の選択がポイントです。 一般的に、ろう付けの加熱源として、炎(ガスバーナー)、工業炉、高周波、電気抵抗などが使用されています( 表1)。 それぞれに一長一短があるものの、ろう材と母材金属を均一に加熱するという目標は共通です。 表1:加熱源の種類と特徴 加熱源の種類 加熱の方法 特徴 炎 (ガスバーナー) 作業者がトーチを手持ちし、ろう付け部に炎を当てて加熱 ろう付け部を目視で確認できる。 作業者の熟練が求められる 工業炉 電気抵抗で発熱する発熱体が熱源。 連続式とバッチ型がある 炉内の雰囲気を制御できる 高周波 ろう付け部の形状に合わせたコイル中心部に、ろう付けするものを設置。 高周波を流して発熱させる 数秒程度でろう付けが完了。 誘導加熱のため、表層部が強く発熱し、不均一加熱となる恐れがある 電気抵抗 接合部へ電流を直接通電し、界面抵抗によるジュール発熱を熱源として利用 高電気伝導率体である銅合金などには適用が難しい 2. 炎(ガスバーナー) ガスバーナーの炎を熱源とするろう付けを、トーチろう付けといいます( 図1)。 トーチとは、小型の手持ちバーナーのことです。 トーチろう付けでは、低圧式のガス溶接機を使用します。 燃料ガスには、アセチレンガス、プロパンガス、ブタンガス、エチレンガス、都市ガスなどが用いられます。 図1:トーチろう付け トーチろう付けの特徴は、作業者がトーチを手に持ち、直接ろう付け部に炎を当てて加熱するため、目視で確認・調整しながらろう付けできる点です。 一方、ほとんどの場合、フラックスを使用するので、ろう付け後に処理が必要となります。 ガス状フラックスや還元性炎を用い、母材表面の酸化皮膜を除去する場合もあります。 欠点としては、温度管理も目視で行わなくてはならず、技術者に熟練が要求されます。 特にアルミニウム材は、ろう付け時の高温下でも金属の色調が変化しないので、適温が分かりにくく、作業者にはさらに高度なスキルが求められます。 トーチろう付けは、自動化も可能です。 経験や予備実験などによって、ろう付け条件の事前設定は必須ですが、大量生産に適している方法といえます。 この場合、ワイヤ状ろう材を用います。 ろう材を足すタイミングは、母材がろう付け温度到達後に外部から挿入する方法(差しろう)と、加熱前にあらかじめ母材ろう付け部に添付する方法があります。 工業炉 ろう付けで使用される工業炉は、電気抵抗により発熱する発熱体を熱源としています。 基本構造は比較的単純で、炉体(筐体)、断熱材、発熱体、制御回路、炉心管、搬送装置などからなります。 一方、炉内雰囲気や製品形状によって、工業炉の内部構造や使用材料は変わります。 また、多くの製品を同時にろう付けすることを前提とした工業炉は、エネルギー投入量が大きくなります。 工業炉を用いる場合、ろう付け部品をあらかじめ組み立て、固定する必要があります。 なお、部品を固定する道具(冶具)は、ろう付け時に一緒に加熱されるので、できるだけ小型化しておきます。 炉内の温度分布を均一にすることも重要です。 主なろう付け用工業炉は、連続式とバッチ型に分類されます。 連続式には、ベルトコンベヤ式の製品搬送装置が組み込まれています。 ろう付けするものをコンベヤ上に置き、炉内へ搬送し、あらかじめ十分な温度に熱した加熱領域を通る間にろう付けを行い、続く冷却エリアを通る間に冷却し、炉外へと搬送されます(参考:ろう付けの基礎知識 第4回)。 この時、炉内を水素ガス雰囲気や不活性ガス雰囲気にして使用することが多いです。 またフラックスを使用する場合は、炉内構造物が汚染される可能性を十分に考慮し、炉内の点検・メンテナンスを行わなくてはなりません。 続きは、保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 高周波 保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 電気抵抗 保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 その他の加熱源 保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 第6回:ろう付けの継手設計 前回は、ろう付けの接合に使用する加熱源の種類について説明しました。 ろう付けは接合技術です。 そのため、接合部形状(継手形状)が接合体全体の性質に強く影響を及ぼします。 そこで、今回はろう付けの継手設計の基礎を解説します。 一般的な継手形状 ろう付けの継手を作るには、綿密な継手設計が必要です。 図1にろう付け継手に適用される代表的な継手形状を示しました。 これは試験片を真横から見た場合を図示しており、ろう付け時は、図中下方に重力が作用しています。 ろう付けでは、接合する部品間に一定の隙間を設定し、溶融ろう材を浸透させる必要があります。 また、加熱前に部品を固定する必要もあります。 図1:ろう付け継手に適用される代表的な継手形状断面図 溶接は、突合せ継手を使用する場合が多いです。 一定の隙間を設定し、継手を固定することが難しいので、突合せ継手を用いたろう付けは、あまり多く用いられていません。 シングルラップ継手は、ろう付けに多く用いられています。 特徴は、部品(材料)の加工が比較的容易であり、ろう材を設置する場所が確保できるということです。 スカーフ継手は、シングルラップ継手と比較して、ろう付け面積が広く設定できるという利点があります。 図2は、ろう付け後の典型的なシングルラップろう付け継手の断面図です。 この継手の特徴は、重ね代Aを変えられる点です。 適切な重ね代を選択すれば、母材を破断せずにろう付けができます。 図2:シングルラップろう付け継手の模式図 突合せ継手の場合、接合強度を増加させるためには、母材(部品)断面積の増加や材質変更など大きな変更が必要です。 これに対し、ろう付けに用いられるシングルラップ継手の場合、重ね代を大きくすることで接合強度が増加します。 不適切な条件でろう付けした場合、ろう付け接合部中にボイドなどの接合欠陥が発生する可能性が高くなります。 ろう付けの隙間 ろう付け継手を設計し、隙間を設定する場合、昇温時の熱膨張などが起こるため、適切な温度管理が重要です。 特に異種金属材料のろう付けでは、両者の熱膨張係数差に十分注意しなければなりません。 継手設計の指針として、アメリカ溶接学会(American Welding Society:AWS)が発行するBrazing Handbook第4版には、 表1に示す通り、ろう材の種類ごとに推奨隙間が示されています。 表1:ろう付け温度における推奨隙間(引用:American Welding Society、Brazing Handbook第4版、1991年、P. 26) ろう材の種類 雰囲気など 推奨隙間 mm Al-Si系ろう材 真空炉中ろう付け 0. 000~0. 051 重ね代6. 35mm以下 0. 051~0. 25 重ね代6. 35mm以上 0. 20~0. 25 Cu-P系ろう材 — 0. 025~0. 38 Agろう材 フラックスろう付け 0. 025~0. 127 雰囲気ろう付け 0. 000~0. 051 Auろう材 フラックスろう付け 0. 051~0. 127 雰囲気ろう付け 0. 000~0. 051 Cuろう材 雰囲気ろう付け 0. 000~0. 051 Cu-Zn系ろう材 フラックスろう付け 0. 051~0. 127 Mgろう材 フラックスろう付け 0. 102~0. 254 Niろう材 — 0. 000~0. 127 一方、隙間はろう付け体接合強度に強く影響を及ぼします。 隙間の減少に伴い接合強度は増加し、ピーク強度を示した後、減少します( 図3)。 この変化は、溶融ろう材の浸透現象と、ろう付け界面に発生する拘束力によって起こります。 図3:ろう付け継手の隙間が接合体強度に及ぼす影響 続きは、保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 ろう付け体の強度評価方法 保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 ろう付け体の固定 保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。 第7回:ろう付けの方法とろう付け部の欠陥 前回は、ろう付けの一般的な継手形状や隙間について、解説しました。 これまでの内容は、ろう付けの原理や技術的な基礎でした。 今回は、いよいよ最終回。 ろう付けの健全な継手を得るコツや、ろう付けの具体的な手順、そしてろう付けの将来的視野を科学的な視点で紹介します。 ろう付けの手順 ろう付けは、被接合材(部品)を金属材料でつなぐ技術です。 モノづくりで使われる被接合材を理解して、ろう付けをする必要があります。 ろう付けの手順は、受入・検査、前処理、部品の組立、フラックス塗布、加熱、ろう材供給、冷却、取出し、後処理、検査、検数・出荷に分かれています( 表1)。 表1:ろう付け手順と各工程の内容 工程 工程の名称 備考 1 受入・検査 数量・品質のチェック。 不良品を取り除く 2 前処理 脱脂・洗浄 3 部品の組立 冶具が必要。 セルフジグが望ましい 4 フラックス塗布 5 加熱 加熱源の選択も重要 6 ろう材供給 7 冷却 8 取り出し 目視検査 9 後処理 洗浄、熱処理、めっき処理 10 検査 欠陥、不良検出 11 検数・出荷 数量、品質のチェック まずは、受入・検査で部品受領時の確認作業が重要です。 最初に、部品形状や表面状態などに問題がないことを確認します。 形状不良や表面の傷や酸化などは、ろう付け不良の原因となります。 部品の形状不良は、隙間のばらつきにつながりやすく、ろう付けの仕上がりに影響します。 表面の傷は、溶融ろう材の不均質なぬれを誘発し、これも仕上がりに影響します。 不良品を取り除くことが、健全なろう付け体を得るための近道です。 その後、前処理、部品の組立を経て、フラックスを塗布し、ろう材を添付して加熱します。 一連の作業でポイントとなるのは、継手設計、母材、ろう材、加熱源、保護雰囲気およびフラックスの5要素です。 この5要素を十分に理解し、それらを考慮した適切なろう付け条件を設定できれば、失敗することはありません。 また、ろう付けに向いている母材は少ないので、母材構成元素の挙動を把握し、適切なろう付け条件を設定する必要があります。 ろう付け部の欠陥と検査方法 ろう付けの手順通りに行っても、ろう付け部に欠陥が生ずる場合があります。 ろう付け部に形成される欠陥とその検査・評価方法について説明します。 表2は、ろう付け部に形成される代表的な欠陥です。 ろう材層では、ボイドや割れなどが起こりやすく、母材部分では、割れや腐食などが起こりやすいです。 外観では、過熱による継手外部へのろう材の流出や、ろう材量の不足によるフィレットの未形成、フラックスの不足や雰囲気不良によりろう材の酸化が起こりやすくなっています。 水素、硫黄、リンなどが原因で金属組織のぜい化が生ずる場合があります。 また、応力腐食割れや界面での合金相形成による割れの発生の可能性があります。 欠陥の種類は多様で、ろう付け継手部を外側から目視で確認することは簡単ではありません。 欠陥は3次元形状の場合が多く、近年では、全体を把握するためにX線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)の利用が増えてきています。 表2:ろう付け時に発生する欠陥 発生箇所 欠陥の種類 ろう付け中に 発生 ろう付け後に 発生 備考 ろう材層 ボイド、ろう回り不良 〇 ろう材の添付量に注意、継手の形状に依存する 微細欠陥 〇 割れ 〇 界面腐食が原因の場合もある 母材 割れ 〇 〇 応力割れ、応力腐食割れなど 結晶粒のぜい化 〇 結晶粒の粗大化 腐食 〇 全面腐食、孔食など部分腐食 外観 継手外部への ろう材の流出 〇 過熱による場合が多い フィレットの未形成 〇 ろう材量の不足 ろう材の酸化 〇 フラックスの不足、雰囲気不良 フラックス残さ による腐食 〇 吸湿性の場合、腐食や絶縁不良が生じる 金属組織 水素ぜい化 〇 タフピッチ銅 炭化物の析出 〇 オーステナイトステンレス鋼、鋭敏化 応力割れ 〇 はんだぜい性、ステンレス鋼 硫黄ぜい化 〇 Ni、Ni基合金 リンぜい化 〇 FeやNiがPと反応 界面腐食 〇 オーステナイトステンレス鋼 応力腐食割れ 〇 オーステナイトステンレス鋼 界面の合金相の形成 〇 〇 欠陥は、ろう付け中に発生する場合が多く、形成メカニズムや発生原因を特定できないこともあります。 現状では、現場の技術者が経験に基づき対策を打っています。 今後は、欠陥形成メカニズムを明らかにし、欠陥を低減していくこと求められています。 比較的よくあるのが、ろう付け部に発生するボイドです。 ろう材層中に発生したボイドは、外観から発見しにくいため、対応が難しい欠陥です。 ボイドの原因は、溶融ろう材の動きや母材、フラックスから発生するガスや不均質な隙間などと推測されています。 決定打となる詳細な形成メカニズムは、まだ明らかにされていません。 一般的に、炉内を真空にしてろう付けすると、ボイド量を減らすことができます。 生産コストの問題から、必ずしも、炉内を真空にしてろう付けができるとは限りません。 続きは、保管用PDFに掲載中。 ぜひ、下記よりダウンロードして、ご覧ください。

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どうして イ レギュラー は 発生 する ん だ ろう

昔、ガソリンスタンドで「ハイオクガソリンを入れると性能が上がるのでお勧めします。 」と云われたことは在りますが、その時は廃屋の意味が解っていたので断りましたが。 今の車では、レギュラーガソリン車に10回に一回位は入れても良いかなとは思います。 但し、古い車では点火タイミングが変るので止めた方が良いと思います。 ノッキングが起きたり、アウターファイアー等が発生しエンジン自体に悪影響が出ます。 添加剤もそこそこ高いので、一回ぐらいは入れても良いかもです。 逆に、ハイオク車にレギュラーガソリンを入れるのは性能を発揮できないので止めた方がいいかもですね。 メーカーによってもオクタン価が違うのでそれも確認しておいた方が良いと思います。 この記事は少し正確じゃない内容が含まれているかと思います。 レギュラー車に給油してもその効果はあります。 本来、高圧縮エンジンのノッキングを防止するために自己発火を抑制する燃料としてハイオクガソリンがあります。 燃えづらい燃料と表現されることもあり、そのように理解されている人も多いかと思います。 しかしハイオクガソリンは燃えづらいがゆえに未燃焼によるスラッジ すす)が生成されやすく、それを防止するために清浄剤が添加されています。 なぜハイオクガソリンに特に清浄剤が入っているか疑問に思ってください。 したがって、レギュラー仕様のエンジンにハイオクガソリンを入れても、エンジンに負荷をかけないでエコ運転などした場合、むしろエンジン内に汚れがたまる原因になる可能性があります。 燃費も飛躍的に上がることはありません 反対にハイオク仕様のエンジンにレギュラーを入れると出力が上がらないため結果的に燃費は落ちます。 詳しいメカニズムは燃料の販売店ではなく、メーカーの製品開発部門に聞いたほうがよいでしょう。 (この件に関しては自分の主観だけに頼って語っている人が多すぎるので。 )結論を言えばレギュラー仕様にはレギュラーを、ハイオク仕様にはハイオクを、オイル交換は欠かさずに、が車を長持ちさせ、結果的には経済的です。

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